仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦 アルティメイタム

テアトル6、評価★★★
年末のライダー映画、恒例となったMOVIE大戦方式。
フォーゼの物語を本編から5年後とした事でウィザードとどの様に絡むのかという事もふまえ、アイデアの面白い映画に仕上がっていた。敵として登場したアクマイザーも、その名称が軽く使われている事を除けば、リファインされたデザインのカッコよさや、デーモン閣下の吹替えのハマり具合で納得の仕上がり。
一方、イナズマンやポワトリンの扱いというか物語の展開が納得いかないというか、取って付けた様な感覚が残ってしまうのがなんとも・・・。しかも、ポワトリンについては楽屋オチみたいなものだもんな・・・。


それぞれのパートでまとめ。
・フォーゼ編
冒頭からインガ演じる原幹恵の色気あるアクションからスタート。他の仮面ライダー部の面々もそれぞれに活躍をしながらも、いざとなった時の強さは変わらないというのは嬉しいもので。
弦太郎が新・天の川学園高校で教師となっており、その生徒の中とゾディアーツと戦うというもの。弦太郎が教師という事ではあるが、生徒との関わりでも変わらないキャラクターである事が物語として気持ちのいいものになっているわけで。
そして、フォーゼ編にて生徒の一人がイナズマンとして登場。なのだけども、怪人同盟の3人とも合わせ、唐突に力を出し始めた演出で、サナギマンやイナズマンへの変身とも合わせひたすら唐突な流れで心地悪い。そんな怪人同盟との戦いの中でも、宇津木遥を演じた長澤奈央のアクションを堪能できたのは満足。
・ウィザード編
アクマイザーが作った無限モンスタープラントの為に囚われた子供達のアンダーワールドが主な舞台。そこで、同じく囚われた上村優による世界でポワトリンが活躍するという展開は意外ではあるけど拍子抜け。
晴人と共にアンダーワールドに行ってしまった瞬平や凛子のキャラクターも合わせ納得の展開ではあり、ガブラの仕掛けた作戦等も物語として効果的に働いているのだけども、やはりラストを踏まえると釈然としないものが・・・。
・MOVIE大戦
諸々の便利すぎる要素で物語をつなげて、強引にまとめたという感じ。映司の登場は唐突でもカッコいい展開だからいいのだが、そこから先が便利すぎて萎えるというか・・・。
ラストバトルのフォーゼ&ウィザードの映画専用フォームも、今まで以上に取ってつけた感が酷いと思って見ていた。殆どブルーバック撮影なうえに、CGアニメーションだったしね。


今回もパズルのピースを揃えて並べた・・・という印象の強いもの。ピースそれぞれは考えられ、面白いものであるのに、組み合わせると釈然としないというか。
それでも、全編に散りばめられたアクションは益々磨きがかかって素晴らしい。それ故に、ラストバトルがつまらなくてねぇ・・・。
そんなわけで、アクションと、インガとポワトリンの色気だけで評価している様な感じ。<以下核心メモ>
フォーゼ編で怪人同盟や他の生徒達のサイコパワーを集めて、ゼーバーを仕上げるというドラマはいい。が、生徒達がサイコパワーを持っている事、そして怪人同盟の生徒達がウィザード編で囚われていた子供達であるのは仕掛けとして面白いのだけど、劇中のシーンから突然に力を使い始めるのは不自然。サナギマンへの変身能力のきっかけも曖昧で、なんとなくイナズマンになってしまう・・・というのも釈然としないところだけど、こういう展開は慣れたというか諦めたwまぁ、三郎がサナギマンに変身する時に服が破れるのはいいな。後で、美代子の前で変身解除して晒してしまうというシーンもしっかりあるのはいいなw
ポワトリンは、上村優の願望に基づくアンダーワールドでの姿なのはいい。アイコンとなるセリフの使用や、オリジナル以上にフェティッシュなデザインや、ウィザードとの連携アクションのキレイさもいい。・・・が、上村優の正体がドーナツ屋店長=KABAちゃんってどういう事だよ…。その瞬間に、ネタとしては成立したけど、残る映画としての存在をまたしても放棄した様にしか思えないのだが・・・。
クライマックスはアクマイザーが、率いる怪人軍団と武装トラックで進行・・・というものだったのだけど、アレは一体何だったんだ??それに対するフォーゼとウィザード等は、ザコ敵相手とはいえまずは変身せずに戦うのは、まぁサービスだろうという事でいい。が、助太刀のオーズとW等は、助け出された子供達に託された不思議な指輪の力で出てきた、実体の無いもの・・・というのには流石に辟易。ライダーが勢揃いでワクワクせずにゲンナリするとはどういう事か・・・。