007 ユア・アイズ・オンリー

見直す為にレンタル。覚えているシーンがあったので、テレビあたりで見ていた様だ。
プレシークエンスが、ボンドの亡き妻の墓参りから始まり、ブロフェルドらしき者との戦いに繋がるもので、シリーズとしての繋がりを見せているな・・・と思ったけど、ブロフェルドは顔も見せずにこの映画以降は出ていないみたい。その代わり、ソ連のゴーゴル将軍がクローズアップされていた。
ムーンレイカー」から一転しての、東西冷戦の緊張もふまえ、秘密兵器奪取という正に007らしいというべき物語に。秘密兵器は、ミサイルを誘導するというATACというシステム。実際に操業している漁船に擬装した船の中にSシステムがあるとか、ATACの心臓部がキーボード一体のパソコンくらいのサイズとか不可思議な点が無いわけではないが、その着想や運用を意識したセットや演出には時代が更に進んだ事を思わせる。
今作もアクションは盛りだくさん。海に沈んだATACを引き上げるという展開故の水中撮影、前の作品よりも進んだスキーアクションとしてボブスレーコースでの雪上バイクとのチェイス、クライマックスでのロッククライミングといったところ。そんな中で、実に感心したのがロータスを壊され、成り行きで始まった2CVでの逃走劇。これが2CVのキャラクターを生かしたもので、柔らかなサスの描写や、ひっくり返っても大人数人の力で立て直せるとか、かからないエンジンを周りの人の協力で押しがけをするとか、007らしいカーアクションとはまた違った形でクルマ好きの心をくすぐるもので、とにかく嬉しくなる。
今回の敵はシンプルなものではなく、物語の展開で誰を信じるべきなのか、というものを見せていく流れも映画として面白くなっていた様な。
ボンドガールとなるキャロル・ブーケ演じるメリナ・ハブロック。親を殺された仇討ちという事もあるが、クロスボウを持ち出してボンドの援護をする事もしばしば。そして、親の影響で海中の遺跡発掘に携わるという知的な面も。そして、長い髪と素敵な瞳が印象的な美人という。ボンドを少し困らせる存在として出てくる、リン=ホリー・ジョンソン演じるビビ・ダールの可愛さも素敵。スケート等で体を使うシーンが印象的だけど、実際に選手だったという事で納得。
007/ユア・アイズ・オンリー 特別編 [DVD]