レーサー

未見の作品としてレンタル。
ポール・ニューマンが主演でインディ500レースを描いた物語。原題は"WINNING"。
ドライバーの顔のアップはリアプロだけど、他は実車の撮影という事でレース映画としてもなかなか面白い。インディレースでおなじみのクラッシュもあるけど、さらに赤旗中断まで描いているので、当時のレースのスタイルを知るにも興味深い。そして、ピット作業でのタイヤ交換は、センターのみのナットを扱う映像にはワクワクさせられる。また、決勝レースの朝等の、観客の様子も｢栄光のルマン｣同様に面白い映像が満載。
レースを描いているけども、ポール・ニューマン演じるレーサーと16歳の子供を持つ女性との関係がドラマの軸に。2人は物語の前半で早々に結婚に至り｢あれ?｣と思ったのだけど、その後のチームメイトと妻の過ちや、養子として迎えた息子との触れ合いを描いているので、前半の早い展開にも納得。予選2日目前の晩に、パドックで息子と酒を交えて話すシーンが面白かった。このシーンがある事で、クライマックスへの走りの原動力としても納得できるわけだし。
そして、インディで勝利し周囲の歓喜に囲まれながらその中で素直に楽しめず、妻とやり直そうとお互いに話をするシーンで終わるのでなんか安心して見終わった感じ。最終的にハッピーになったかどうかは描かれるものではないけども。
長くない尺でも、レース映画としても人間ドラマとしても素直に楽しめたかな。