仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦

テアトル3、評価★★★☆
冬に恒例となっている"MOVIE大戦方式"のライダー映画。
前半はウィザード編。テレビ本編のラストで指輪となったコヨミを巡っての物語で、ウィザードのラストエピソードとしては出来過ぎなくらいに素敵な物語。晴人のコヨミに対する想いの描き方がいい展開。ファントムの扱い等の気になるところはあるけど、それは元々テレビ本編から気になってた部分なので仕方が無いところ。
そして、その綺麗にまとまった雰囲気をぶち壊す様に次の鎧武編への繋ぎが入るのだが…。
後半の鎧武編は、平成ライダー達が戦の為の戦士として活躍する、別次元の"戦国時代"に鎧武達が現れるというもの。あまりにもバカバカしい導入であるのだが、そこに登場するイエヤスのキャラクターの立ち方、その世界の戦士とは別に登場した晴人=ウィザードの存在感が後半に高まるもので、観終ってみれば期待以上に満足できるものであった。まぁ、CMから出ていた平成ライダーのロックシードは半分ギャグとしても、ヒデヨシとして登場したアクセルなんかのサービスにはニヤニヤするばかりで。
"MOVIE大戦方式"にした事は大きな減点ポイントではあるけれど、久しぶりに素直に楽しめるライダー映画であった様な気がした。欲を言うなら、ソフト化の際にはラスト等を変更したウィザード編の完全版を見たいところではあるのだが。<以下核心メモ>
瞬平が作った指輪が失敗したのはいいとして、それが晴人がオーガにアンダーワールドに入られた時に奇跡を起こすというのは、安直な展開であった感も。ただ、そこで別体としてウィザードが現れて、そのアンダーワールドに入るという展開は実に魅力的。そこで展開されるウィザードとオーガのバトルが、晴人とコヨミの記憶の合間で戦ってるかを示す様にそれぞれの役者が演じる脇をスーツのバトルが行われるものでこれ以上に無い演出…と思ったらすぐに映像の前で寸劇をする様なダサいものになってしまったのはなんとも。
晴人がそのアンダーワールドで思いついてコヨミの指輪を、その中の面影堂にいるコヨミに預けるのだが、そのシーンには涙する。ただ、その面影堂の中で瞬平や凛子が半端なパントマイムもどきで半ば笑いを取る様な見せ方をしなければ良かったのに…。
鎧武編はノブナガに変わって戦って勝ちあがろうとするバロンと鎧武の一騎討ち、チャラチャラした風貌でありながら民の為に天下統一を目指すイエヤスの熱さがポイント。しかし、そのイエヤスの為に戦い命を落とす者たちを間近に見た紘汰が戦意を喪失するシーンはあるが、この重みのある展開を本編の流れの中に組み込んでいいのだろうか、と思ってしまうのだが。
国獲り合戦をライダーが行うという事で「Gガンダム」を彷彿としたのだけど、御神木と一体化した武神鎧武がデビルガンダムっぽくてニヤニヤしていたのは仕方が無い。