アメイジング・スパイダーマン2

フォーラム3(3D)、評価★★★☆
アメイジング〜」となっての2本目。1本目からの流れを素直に受けて、ピーターの両親についての真実、グェンとの恋についての悩みと、スパイダーマンの物語というよりはピーター・パーカーの物語という印象が強い。両親の話が明らかになって物語に深みが…と言いたいところだが、ヴィランを出しすぎて忙しくて描ききれていない様な。
エレクトロやグリーンゴブリンのそれぞれの物語はいいのだけど、一緒になった事で弱くなってる感が強い。特に、グリーンゴブリンとなるハリー・オズボーンはいきなり出てきたと思ったら、やはりピーターの親友であったとかあまりにも急展開だったとしか言えない。まぁ、連作の途中という事でハリーの登場は次に繋がる要素になるのだろうが。
今作で、スパイダーマンの時のピーターが軽口を沢山言っていたのが良かったところ。1本目で物足りなかったところがちゃんと追加された感じ。ライミ版以上にピーターとスパイダーマンのギャップを上手く出しているというか。元々、アンドリュー・ガーフィールドが演じる事でピーターはハンサムで挙動不審なところが無かったからね。
エレクトロを演じたのがジェイミー・フォックス。「何で、こんなに個性的な俳優が演じるんだろう」と思ってはいたが、エレクトロに変わる前のマックスの演技を見て納得。ああいう癖のあるキャラクターだからこそ、いい俳優が演じる意味があるのか、と。それ故に、エレクトロの最期の描き方はグリーンゴブリンの登場があったにしても残念であった。
あくまでも次に繋がる物語…ではあるけど、もう少し詰め込みを無くしても良かったかな。<以下核心メモ>
冒頭のシーンでピーターの両親が死んだ飛行機事故の真相が描かれ、ピーターの両親が物語の大きな要素である事は明確であったのだけど、そこで幻の駅であるルーズベルトにあった秘密の研究施設に送り込んだメッセージをピーターが見る事で真実を知る事に。その中で、父が手がけた蜘蛛には彼の血が使われており、父かその血縁にしか有効でないという設定が。昔の放射線を浴びたものとか、ライミ版あたりに比べるとかなり複雑な設定をしてきたものだと思ってしまう。その設定から、オズコープが隠していた蜘蛛の毒でハリーが適合しない為にグリーンゴブリンになるという展開も出来ているのだが。ハリーは生き残って特殊刑務所に入れられてるけど、体の変化は大丈夫なのだろうか?セリフでは状態の波がある感じだが。
前作で死んだグゥエンの父の姿も度々登場させ、彼女に危機が迫る事を恐れたピーターの葛藤もこの物語の軸としてあるのだが、グリーンゴブリンとの戦いで時計塔から落下し、ピーターの頑張りも及ばずに命を落とす展開に。まぁ、このあたりはグウェンがヒロインとして登場した時に聞こえていた話なので想定内。今作がそこになるとは思っていなかったけど、まぁ観ていればその結末に至る為の展開ではあったよな、と。
グウェンの死から5ヶ月経って、止めていたスパイダーマンを復活するのだが、その中で劇中でいじめっ子から助けた少年の勇気というのを見せるのは素直に盛り上がる演出だったと思う。その会話や、ニューヨーク市民とのつながりなんかも含めて。これらのシーンの流れを見ていて、自分としては"ピーター・パーカーの物語からスパイダーマンの物語に変わったんだな"と感じたもので。まぁ、落ち込んでるシーンの間にもう少しきっかけは入れても良かった気はするけど。
しかし、最後に出てきたライノについて、宣伝での扱いは酷かったと観終わって思う。予告では3つ巴くらいの勢いで登場するかと思いきや、ライノは最後のスパイダーマン復活の為の要素でしか無いという。そして、映画のラストショトが予告で印象的なシーンとして組み込まれていたのはなんとも言えない。