ゴジラ

テアトル1、評価★★★★
ワーナーとレジェンダリー制作のゴジラ。どんな作品になるのかと期待していたが、日本のゴジラシリーズを踏まえながらも、これまた違う味付けの怪獣映画に仕上がっていた。
災害映画としての側面が強く、どちらかといえば怪獣の姿をあまり見せないけども、印象的には見せているのはある種初代ゴジラに近いというか。まぁ、ゴジラ単体ではなく対戦する怪獣がいるよ、という話は聞いていたのだがなんというか昭和ゴジラ的なバトルを真面目にアップデートするとこうなるのか、という感覚は強かった。
展開としても、アメリカにゴジラが上陸するという理由がちゃんとしていたのは親切というところか。まぁ、アメリカ映画としての核兵器の扱いの軽さには参るところも無いわけではなかったのだが。参るといえば、日本の描写が怪しいのは、日本起源の映画を作る中でなんとかならなかったのかと思わないわけではない。あと、原発の描き方がSFなんだよね。原子炉建屋の形はアメリカ人のイメージだろうから、仕方が無いとしても。
色々と気になるところが無いわけではないが、全力で怪獣映画…しかも新しいゴジラを作ってくれた事には素直に感謝したいし、十分に楽しんだ。<以下核心メモ>
ゴジラの存在はオープニングがらチラつかせながら、最初に画面に登場するのは対戦相手のムートー。1頭だけの存在かと思いきや、アメリカの核廃棄施設に捨てられていた雌がいて、それらが呼び合う事でサンフランシスコで決戦に至るというのがいい流れだ。そして、そこで雌が卵を産み付けてという展開になるのだが、トライスター版で小さいゴジラが出てきて辟易した事を考えると、今回の流れは緊迫した展開という意味でもよかった。
当初はアメリカで暴れてるゴジラに引き寄せられるように対戦怪獣が現れるのかと思ったら、はじめにムートーありきで、その放射性物質を食らう様な自然の摂理に逆らう様な存在に対して、ゴジラが立ち向かうというもので、まるで平成ガメラを髣髴としてしまうのはなんとも。但し、昭和のヒーロー的なゴジラ的なものを真面目にやったのだとしたら、やはりガメラ的なものになるのは仕方がないのだろう。
ゴジラ自体の登場も結構勿体ぶった見せ方だったが、更に終盤まで使うのを待った放射能火炎というかブレスの表現がカッコイイ。デジタルならでわの炎も素晴らしいが、背びれの発光が尻尾側から背中に流れるのに感動せずにはいられなかった。
日本の怪獣映画との違いというか今の時代でのアップデートも多々あったのだが、ゴジラの登場で津波が発生するシーンはそのエネルギーの大きさを見せる意味でも、今までに無い見せ方で感心したのは確かな事。