ターミネーター ジェニシス

テアトル7、評価★★★
アーノルド・シュワルツェネッガーを主演としてのターミネーター3作。
5作目にして、「ターミネーター2」に繋がる話という形に、いわばリセット。要素としても、審判の日をめぐる物語であったり、サイバーダイン社の扱いが2からの直結していたりと色々と。
今回は、1作目や2作目で設定として重要でありながらも、物語に直接絡まなかったタイムトラベルが軸に。歴史の改変についての攻防というのが、ターミネーターにはあったのだけど、そこに時間軸という考え方で話を進めるという感じで。そんなわけで、サラ・コナーにカイル・リースがメインキャラクターとして活躍しながら、今までとは別の物語を紡ぐというか。時代を渡ったり、新しいターミネーターの設定がロボットとしてピンとこないところがあるのだけど、基本的には細かい話よりもドンパチを楽しみながら観るという作品になっていた気がする。
あと、シュワルツェネッガー自身が1作目から歳をとっているのだけど、それを上手く生かした使い方をしていたと感心する。そして、シュワルツェネッガー同士の殴り合いというものは期待していた以上に不思議で面白い映像になっていた。
3本目と4本目で迷いのあったシリーズが、リセットされたという意味では観易い映画にはなっていたと思える。<以下核心メモ>
T1000がイ・ビョンホンの姿で出てくるのだけど、あくまでも前作と繋ぐサービス程度の出演だったのはちょっと残念。でも、それを進化した様な特性を持つ新型が出るのだから仕方が無いのか。
未来でスカイネットを制したジョン・コナーが、最後の足掻きとしてスカイネットが過去に送り込んだターミネーターを追いかける為に、カイル・リースを1984年に送り込む・・・というのは、1作目と同じ流れ。ただ、送り込んだ先の1984年ではサラ・コナーは既にT800型と一緒にいてカイルを待っている状況というところから、流れは変わっていくもの。
審判の日を防ぐために次にカイルがサラと飛ぶのは、歴史が変わっているので1997年は飛び越して2017年。ここで、サイバーダインが作った"ジェニシス"という新しいOSが起動と同時にスカイネットに変わるのを阻止する攻防戦が。そこに、未来のスカイネットの手先として現れるのが、ターミネーター化したジョン・コナー。登場から顔面に傷があるインパクトのある風貌であったけど、この展開は2での可愛らしくて理知的なエドワード・ファーロングの顔を思い浮かべると衝撃的。T1000以上の無敵っぷりを見せるけど、不完全なタイムマシン装置での磁場で倒されるのだが、エンディングで引きがあったから、次作への登場があるのか?
サイバーダインでジェニシスを作ったプログラマー、2で死んだプログラマーの息子というのは面白い。でも、時間軸は変わってるからその辺りの設定はどうだったか、いまひとつ不明。ジョン・コナーと面識があったけど、古い付き合いという演出はあったか?
サラと共にいるT800型は、皮膚の組織は老化するという設定の元に、今のシュワルツェネッガーを上手く使っていた。1984年で失った右腕の皮膚の再生の為に時間がかかるから・・・と、タイムスリップせずに2017年には白髪で登場するという点も含めて。クライマックスのバトルで新型のターミネーターによってボロボロになるけど、T1000型の製造ラインに落ちて、その能力も取り入れる形で進化するという便利な展開でちゃんと生き残るのは流石。
今回のサラとカイルはセックスをする事が無く1984年から2017年に飛んでしまったので、ジョン・コナーが産まれる未来が全く変わっているのだけど、そこは次になんとかするのだろうか?カイルはちゃんと生きているわけだし。今回のサラ・コナーはリンダ・ハミルトンに比べるとバイタリティやインパクトに欠けて寧ろ可愛いくらいなのだけど、時間軸が変わったので違う・・・という事でいいのだろうかね。