ジュラシック・ワールド

テアトル2、評価★★★☆
ジュラシック・パーク」のシリーズ4本目。1本目のパークが"ジュラシック・ワールド"としてオープンした事でのドラマ。そんなわけもあってか、1作目にあった"始めは歓声をあげるが、そのうち悲鳴に変わる"というパターンを再構築した様な映画。同じ舞台を使っている事で、1作目からの引用もあちこちに見られたのはポイント。
物語の序盤、兄弟の視点に沿ってワールドの素晴らしさを見る事ができるだけど、特にモササウルスのショーは素晴らしい。予告にもあったぶら下げられたサメに飛びかかるシーンの後に、観客席ごと水槽の中が見える位置に下がるという演出、あれは是非とも行ってみたいと思わせるというもの。
そんなワールドにおいて、トラブルの発端となるのがDNAを操作されて作り出されたインドミナス・レックス。出資者のリクエストに応じて科学者が作り出してしまったモンスターという感じ。確かに恐竜ではあるのだけど、作り出すために組み込んだ特性を生かして人間を欺く賢さに、力を持たない人間は翻弄されるというもので。その存在自体が、今回の映画での人間の愚かさの象徴という事になるのだろうか。それに対する様に、人間に手なづけられた様に見えるヴェロキラトプル達が、これまた印象的で。完全に飼いならされていないのがポイントなのかな。
終盤に少し冗長的かと思ったけど、映画館の音響だからこそ楽しめるもの・・・まさに映画という作品に仕上がっていたのはさすがだと思ったわけで。<以下核心メモ>
物語は兄弟とそのおばさんにあたるマネージャー、そして元兵隊の男の4人がメインとなるのだけど、それぞれに逃げる様と戦う様があるのが面白い。特に、兄弟の兄は出かける前に恋人と別れを惜しんだと思ったら、パークではナンパをしそうな勢いだったりと駄目な人間の様相だったのに、いざとなったら弟を思いやり、一緒にパーク時代に放置されたジープを動かしたりと、イメージがガラリと変わる程の活躍。
今回のインドミナス・レックスはとにかく強い。そして賢い。そんなわけで、人間が対峙してもかなわないという事で、Tレックスをぶつけるのだが、なかなか決着がつかず。そして、ヴェロキラトプルが参戦しても大きな変化は無し。・・・というところで、プールから這い上がってモササウルスが水中に引き込んで食ってしまうという驚きがありつつナイスな決着に。そのあたりの一連の流れは、恐竜同士のバトルというよりは、気分的に怪獣のそれというところだったしね。
そして、ラストを生き残ったTレックスの咆哮で締めるというのは安心して観られるというものであった。