1/48 T-34/85 -ガルパン プラウダ(劇場版)仕様で作る


ガールズ&パンツァー」に登場するプラウダ高校の車両、テレビ版の後は作る気がしなかったのだけど、劇場版での活躍のカッコよさに揃えたくなって作る事に。テレビでの冬季迷彩から一転してのグリーンの単色でのカッコよさもあったわけで。(単色の車両はテレビでもチラリと出ていたけど)
まずはT-34/85という事であるけど、キットはホビーボスのものがあったのでそちらをチョイス。このキット、近所の店頭で見かけないのは当然としても、amazonマーケットプレイスでも適正価格のものが1個/月に出てくるかという事で、タイミングを逃すと買うのは難しいというか。

ホビーボス 1/48 ロシア戦車 T-34/85 1944年型 プラモデル

ホビーボス 1/48 ロシア戦車 T-34/85 1944年型 プラモデル

適正価格で買えば2000円代半ばで、しかもその価格でフルインテリアキットという、充実したキット構成。箱を開けると1/48では考えられないランナー枚数とパーツ数に驚き、インストを読んでいくだけでも"こんなところまでパーツ化しているのか"と感心してしまうくらいの情報量が堪能できるというもの。
が、このキットはそのパーツ数と密度に見合わない部品精度の悪さが難点というか・・・。約10年前のキットでどれだけのショット数があったのか判らないけど、パーツを弄った感触としては"モールドは最高だけど、成型技術がそれに伴っていない"という感じ。パーティングラインが不明瞭だったり、突き出しピン跡が不用意なところにあったりと、それらをちゃんと処理していくのは大変。ゲートの付き方も独特で、困った事が幾度あったか。

まぁ、その分値段の割には時間をじっくりかけて楽しむ事が出来るキットと言えるものなのかもしれないけど。


今回はガルパン仕様で、更に2両を作る事もあったので、インテリアはオミットして形を作っていく事とした。
資料はいつものアハパンに、モデルグラフィックス誌2016年5月号のプラウダ特集、そして待ちに待ったアハパン2を使用。

基本的にはアハパンを参考にしているけど、他の2冊は新情報の補足という事で。
仕様を再現する為に、タミヤT-34/76の転輪部分(Aランナー ×2)を準備し工作開始。・・・の前に、パーツ状態で一度洗浄するのが吉。1つ目を作り始めたときに、離型剤が強いんじゃないかという疑惑が沸いたもので。以前作ったM4A1ではそんな事は無かったのだけどね。


・点輪の入れ替え
T-34/76の転輪を使用したのだけど、軸径や長さガ異なるので調整。A25の軸を2mm弱程度切り詰め、軸の穴を3mmに広げる。広げた穴に3mmm径のプラ棒を差込んで接着、乾燥後に2mmのドリルで穴を空けるという手順。穴は貫通させてもセンターキャップで隠れるので問題無し。
本体側(B27〜B29)の軸は先端を1mmちょっとくらい適当に切り詰めればOK。どちらにしても、そんなに簡単にピッタリと合うわけでもないし、履帯に合わせたアライメントを取ればいいので。
・砲搭の回転ギミック追加
本体に砲塔を乗せるだけのキット仕様なので、他のタミヤキットと同様に回転ロックを仕込んだ。
仕込んだと言っても、砲塔下部(L6)の下に長細く切った0.5mmプラ板を貼り付け、円の外周より少しはみ出るくらいの長さに調整。車体側の内側の突起をその幅に合わせて切り欠いたのみ。

インテリア無しで作ってはいるけど、車体を安定させるために内部の仕切り(C1,C3)は取り付け。但し、砲塔の回転ギミックを入れると干渉するのでC1の上部は削っておいた。なお、2つ目では車体前方にもプラの角棒で梁も入れたりも。

・砲搭の工作
回転ギミックを入れた事で砲身の構成パーツも干渉して邪魔になるのでD18,19を貼り合せた後は後部をバッサリ切り落とした。1つ目は干渉する場所を探りながら削ったけど、結局のところ砲身の可動軸さえ確保できれば組み立てはできるので切り落としてOK。
防盾(E23)は裏側の成型状態が悪いので、干渉しないように削りこんだ。

砲塔上下の貼り合わせも思った以上に合いが悪くどうしたものかと思案のしどころであったけど、貼り合わせのラインに伸ばしランナーを貼り、溶接跡の状態として解決。ついでに、前にモールドされたラインも溶接跡を作成。
・ホーンの取り付け変更
ホーンが後ろ向きのパーツなので、前向きになる様に変更。車体にモールドされた四角の位置がその場合の位置に相当するかと思ったのだけど、全然合わないので基部を削って調整しつつ現物合わせで貼り付け。勿論、本来の取り付け位置の穴は塞いだ。
・前部フックの取り付け方法変更
前部のフック(B7)について、そのまま貼り付けると周囲の隙間が大きいので取り付け部の穴を一度プラ板等で埋め、B7の下部をダボの分削ってから貼り付けた。
・後部フックの変更
後部フックは小さい方(B16)が無いので、取り付け穴を埋める。更に、大きい方(B8)は上下を逆に取り付け。
・ドライバーズハッチの取り付け
ここは改造はしていないのだけど、インスト通りに作るとペリスコープのカバー(C37,38)が閉じた状態で前が見えない事となるので、中のペリスコープ(C5)は組み込んだ状態で、少し開けた状態でカバーを付けた。
とは言っても、それに気付いたのが2つ目だったので、1つ目はリカバリ可能な片方だけを開けた状態にしてなんとかしたというか。
・細かい部品の調整。
フェンダー右前方の固定具らしきものは削り落とし、不要となる部品(B13,B10,後部燃料タンク)の取り付け穴やガイドのモールドは埋めた。リアパネルの上部両端にも不明な穴があるので埋めた。
あと、左前フェンダー端の成型状態が2つとも悪く歪んだ状態であったのでプラ材を貼った後に真っ直ぐになる様に整えた。意外に気になるポイントであったので弄って良かったところ。
・履帯の組み立て
ここがある意味最大の難所。履帯はプラの部分連結で準備されており、薄さも表現されているもの。なのだけど、成型がそれに追いついていないので連結部がスムーズに嵌らないし、変なところにあるピン跡から見事なバリが成型されているしと難物。
どうせなら手に入れてるタミヤのものに置き換えるかと思ったのだが長さが足りずに断念。が、結局キットのものでも長さが足りずに誘導輪の軸(B2)の取り付け角度を調整して納めたので、実際はタミヤのものでもよかったのかもしれない。2つ目は揃える為にキットのものを使ったので、確認は出来ずじまいであったけど。
とにかく、キットのものを使う場合は各パーツの嵌め込み部にあるパーティングラインを一通り落とすのが近道。連結ピンのモールドがあるけど、組み立て上は何の役にも立たないというか寧ろ邪魔なので落としても大丈夫。キットにある、細かいところの整形用治具は結構便利でしたよ。
塗装の便も考えてロコ組で進めたけど、もしかしたら完全に組んでしまったほうが楽だったかも。


塗装は、アーマーモデリング誌2016年3月号のガルパン特集にあったカラーレシピを参考に調合したもので塗装。

劇中のイメージだともっとグレーに近いのだけど、そこまで寄せられなかったのは残念というか。
校章のマーキングはガルパンデカールVol1から。


車体全部や砲塔の溶接跡はこんな感じで。

劇場版の大学選抜戦のイメージであるので、2両作ったわけで。こういう並びはカッコいいよね。

そして、2両作ったならそれぞれにカチューシャとクラーラも乗せたくなるので自作。(ノンナはIS-2用)
2両とも基本的には同じ仕様で作っているのだけど、身長差故に砲塔内の足場をそれぞれに合わせているので、実はカチューシャ車とクラーラ車が区別されているという。

なんか色々大変で微調整も多いものであるけど、組み立て自体はインテリアの存在を忘れれば大変でもないので、終わってみれば楽しかったという感じ。基本的には小気味よいディティールのキットでもあるしね〜。