栄光のル・マン

原題は「LeMANS」。なかなか気の利いた邦題は好きだな。
で、この原題の通りひたすらル・マン24時間レースを描いているだけ。スティーブ・マックイーンという役者を据え、因縁ありな美人も出てくるけど、そういう人間ドラマでの劇的な展開は無く、メインは24時間のレースの経過。
しかも、そのレース内容が時代を反映しており、ポルシェvsフェラーリの正面からの勝負であり、それを両メーカーが強力にバックアップしているのだから、盛り上がらない訳が無い。クルマのカッコ良さも当然だが、それぞれの相手の出方を伺うピットワークには何度見てもワクワクするもので。
それ以上に印象的なのは、タイトルバック等に代表されるレース観戦の人たちの動き。泊り込みでキャンプするもの、当日の行列に混じって来る者、レースの合間に仲間とゲームを楽しむもの、戦うクルマ達の傍らで愛を確かめ合うようなカップル等々、ヨーロッパの人たちのレースの楽しみ方を垣間見る事が出来るのがこの映画のもう一つの側面だろう。
なお、時代を感じる部分としては、ドライバーがクルマで2人な事、ユノディエールが6キロの直線である事、カメラマンが手動巻上げのカメラを使っている事、なんかに感じられる。それ以上に、フルフェイスでないヘルメットが時代を感じるが、映画的にはこっちのほうが断然カッコイイ。
ただ、最後の展開はレギュレーションとしてホントよかったのかな??
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なお、同じくル・マンのレースを撮影に使った映画としては「ミシェル・ヴァイヨン」があるが、2本の映画でサルテサーキットの時代の違いを見るのも面白いかと。
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もっとも、こっちはコミック原作らしく「チキチキマシン猛レース」的なのが好みが分かれるところだろうけど。


あと、未見だけどル・マン関連の映画としては「男と女」があるね。主題歌は知ってるんだけどねぇ。
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