クローバーフィールド

テアトル1、評価★★★★
情報が制限された映画…、という事であったが「怪獣もの」「ホームビデオ視点」というポイントだけ押さえて見る。
同様の手法の映画として「ブレアウィッチプロジェクト」が思い浮かぶが、こちらは視点が特殊だけどかなり映画のフォーマットに即した映画だった。それなので、物語としても十分楽しめる。
ホームビデオの視点を使うために、前半のパーティーはカメラがある事の理由付けとしてはいい演出だったかと。それに、登場人物の紹介と、それぞれの間の関係を描くにも有効に働いていたわけで。
「怪獣もの」としても、冒頭の「ゴジラ」を彷彿とさせる足音の様なオープニングや、エンディングの音楽とかに、日本の怪獣映画へのオマージュ的なものも沢山含まれていて楽しめる。ただ、怪獣っつーかクリーチャーがアレなデザインなので、その分星ひとつ減か。
色物と思わず、低い視点での災害映画と観れば、十分楽しめるかと。<以下核心メモ>
怪獣の見せ方はかなり上手い。「グエムル」で、冒頭から見せながら盛り上がりに欠けたのと比較しても、パニック映画としての見せ方は十分。前半は、チラッとだけその存在を示唆して、途中で電気屋のテレビという数少ない別視点で全身をちょっと見せて、後半に向かってその姿を見せるという、いい流れ。でも、じっくり見せるわけではないけど。
まぁ、そのデザインが機能的でないというか、モチーフが明確でないというか、説得力の無いデザインなわけで。日本の怪獣映画の様に神秘性を持っているわけでは無いので、方向性があるわけでは無かったのかもしれないが…。(そう考えると、レギオンのデザインって、神秘性を廃しつつ、機能性をまとめた、いいデザインだったんだね)
人間を喰う、って事は描かれていたけど、それも説得力が無いんだよな〜。あと、小さいのが出てきたけど、これも生物の機能としては不可解そのもの。まぁ、それで物語のアクセントになっており、サブヒロインが襲われて何かに感染するという、怪獣の正体を想像させる要素にもなるんだけど。
喧嘩別れした彼女を救う為に救出に戻る、っていうシチュエーションはありがちだけど、前半のパーティーと所々にテープに上書きしたという事で残っていた2人の映像が、ドラマ性を盛り上げているので、そんな展開でも気にはならないか。