カメレオン

テアトル2、評価★★★
藤原竜也のプロモーションの様な映画。彼の役者としての達者ぶりを観られるだけでも満足なのかもしれない。
ストーリー展開は、なんていうか違和感の塊。現代日本のサスペンスって言うよりは、無国籍アクションの寓話って匂いが。主人公が鬱で、傭兵みたいなもので…って、なんて設定ですか。まぁ、そのおかげでアクションは生きるのだけど。とは言っても、予告で感じられた復讐劇的な熱さは、ほんの僅かだしね。
それでも、東映らしいザラついた空気感で、テレビドラマではなく映画だなぁ、とは感じられる。
あと、TA・KAの素晴らしいカースタントを久々に堪能できたのは、ポイント高いか。バックでの激走は目新しいものでは?<以下核心メモ>
ラストに向けての脱力感がこの作品の全てなのでは。
大ボスとの戦いが、証人喚問の部屋というのは締まらない。人間ドラマとしての側面を見せようとしたのだろうけど、釈然としないものが。もちろん、狙撃された時に左腕を失っており、その状態で突撃したというのはショッキングな展開だが、それ以上にあれだけ撃たれた彼女が生きていたというインパクトにはかなわないもので。しかも、ハッピーなんだか、バッドなんだか曖昧すぎるエンディングは好きにはなれない。
前半の詐欺師仲間と劇団員のくだりも、メインの流れなのに、妙に浮いていた結果となったのも気になった。
しかしまぁ、あれだけ展開の弱いところで「男達の挽歌II」を真似た銃の交換をやっても、ギャグにしかならないよ。