テアトル8、評価★★★★
原田眞人が、日航機墜落事故という未曾有の航空事故を扱った映画を作ったという事で。
原作は当時、この事故の記事に携わった人だというが、物語としてはだいぶ脚色されている様で。その分、新聞記者たちの熱さも伝わるし、事故の悲惨さも改めて伝わってくる。
アナログ的で、怒号のとびかう編集部の様子は実に見事。その合間に挿入される現在の編集者の山登りとの温度差に戸惑いはあったけど、最終的には結びつく演出は面白い。
堺雅人の演技が予告で知っていた以上に、いいもので納得。もちろん、堤真一をはじめとした出演者からは、当時の熱さが十分に伝わってきたか。
あと、墜落現場の再現は、かなり気味の悪いもので。<以下核心メモ>
終盤の特ダネとして盛り上がりを見せるのが、原因とされる「圧力隔壁」。それを、載せるか載せないかの想いは、行き詰るもので。もちろん、そこまでに、無線機も持たずにカラダだけで墜落直後の現場へ行きながら、記事が載らなかった記者達の想いを描いてたからこそ、盛り上がる展開となるわけで。
まぁ、その一人は死体を見た事で精神的に参ってしまい、ふとした交通事故で命を落とすという展開もあるわけで。で、その記事を書けないという記者達の想いもあるわけで。
もうひとつの軸として、社長と悠木の物語があるわけだが、その軸は最終的に出遅れた墜落原因を載せるという事で、新聞を作るものの意地を見せたのでは。
最後に、疎遠になっていた息子に悠木が会いに行くというのは、歪んだ家族とか内にこもった自分なんかへの転換という事なんだろうな、とは思う。