ワルキューレ

テアトル3、評価★★★★★
トム・クルーズ+ブライアン・シンガーの組み合わせでどんな映画になるか・・・と思ったが、実に面白い映画だった。
ヒトラーの暗殺を企て・・・という物語だが、実話をベースにしているというから驚き。もちろん、観ているものはヒトラーの最期を・・・すなわち暗殺が失敗する事を知っているわけだが、その経過と結末に至るまでがサスペンスとして描かれて面白い。勿論、重いテーマを内包してはいるのだが、テンポよく魅せる演出で引き込まれる。
ただ、予告等で言われている様に10分で作戦が完了するのではなく、その後の展開もあり、それがクライマックスとなるので、予告の言い方はちょっとまずいなぁ、と。
まぁ、冒頭でアメリカ作品である為に英語で演出する事を言い訳するが如く、トム・クルーズ演ずるシュタウフェンベルク大佐のモノローグがドイツ語から英語に転化したのには、戸惑ったけど。
あと、WWIIのドイツものでありながら戦闘シーンが殆ど無いので、明るい状態でのドイツ軍の装備が判るくらいに描かれていたのが興味深かった。<以下核心メモ>
爆破での暗殺のシークエンスが勿論展開のキーになるわけだが、そこからの「ワルキューレ作戦」への展開のサスペンスタッチが面白い。劇中で「ヒトラーは死んだのか?」とい疑問もつきまとっているわけだし、電話という限られた通信手段を巡っての作戦的優位と情報不足での悲劇というのも時代を象徴させつつサスペンス性を盛り上げていた。
予告等では、シュタウフェンベルク大佐は左目にハンデがあるというのは分かっていたが、右手と左の指2本も戦闘で負傷していたというのは、レジスタンス活動への意志にも繋がって見える様で。将軍に指摘されたため、わざわざ右手を挙げてヒトラーへの忠誠を示す敬礼をした姿は印象的。
最後は銃殺シーンで幕となるのだが、シュタウフェンベルク大佐が銃殺される直前に、従っていた中尉がかばう様に前に立ち、先に撃たれるというくだりがあるが、事実であったらしくなんともやりきれない想いに。