バーン・アフター・リーディング

テアトル2、評価★★★★
コーエン兄弟が描くクライムコメディ。気付けばコーエン兄弟の作品を観るのは初めてか。
ジョージ・クルーニージョン・マルコビッチ等のメンバーを使ってのコメディという事で、コーエン兄弟がそれぞれの役者をイメージして書いた脚本だけに、ハマリっぷりは見事。ブラッド・ピットも十分おバカなキャラクターを演じていたけど、どちらかというと脇役なのね。
物語は、タイトルにある様な重要な情報を絡めての物語なのだけど、それぞれが自分の欲望に従い行動しており、話に絡みつつも事件が空回りするという構図が面白い。アメリカ国家の象徴たるCIAすら状況を把握しておらず、自分達のいい様に処理しているサマがなんとも言えない。
アメリカの実情をチクリとしながら、多彩なキャラクターの想いを描いてのコメディという事で十分楽しめたか。
あと、CIA職員として、ハマーでお馴染みのデヴィッド・ラッシュが出演していたのも自分にとっては印象深いかと。<以下核心メモ>
CDの中身はCIAをやめたオズボーンの自叙伝なのだが、ロシア大使に持ち込んでも役に立たない内容というのがポイントか。
それに引っ張られて、チャドやジムのオーナーは命を落とすし、オズボーンもオーナーを殺した際に警官に撃たれて散々な結果になるのがおかしいやら悲しいやら。ただ、整形手術費用の為に奔走していたリンダが、最終的にCIAからお金をせしめたのが一番の成功なのかな?
ハリーも誤ってチャドを殺してしまったのを、スパイを殺してしまったと思い込んで、その後はグダグダになってしまってるし。そんな状況だから、妻から離婚の為に調査を依頼した事務所の人を、自分に対しての国家権力のスパイだと思ってしまう状況の構成も面白い。
ただ、その状況を見ているCIA側の適当な対応や、事なかれ主義は、「実際にある事じゃないの?」と考えてしまい面白いと共に、怖くなる。
それにしても途中にハリーが鉄パイプとかで何を作ってるの・・・と、思ったらディルドー付の快楽椅子だったというのが、あまりにもバカバカしすきて良い。