20世紀少年 最終章 ぼくらの旗

テアトル6、評価★★★★
3部作で製作されていた「20世紀少年」の締めくくり。実に連作らしい作りで、前2本の要素をうまく取り込んでのまとめという感じ。冒頭で、前作のダイジェストを流していたけど、楽しむにはそれでは不十分。ちゃんと前の2本を観ないとね。しかし、そのダイジェストを東宝マークと日テレマークの間に流すとはなんという酷いセンスだ・・・。
まぁ、前の作品を受けて・・・という事でその辺はいいのだけど、新しく出てきた要素で唐突過ぎる面も無いとはいえないのが。実写映像作品での、舞台設定の難しさってのが出てた様な・・・。
今回のエンディングは原作と違うという事だが、未読なのでその差異は判らず。ただ、エピローグはやりすぎな感じもするので、この辺が評価の分かれるところじゃないかとは思える。
そうは言っても、堤幸彦らしいエンターテイメントとして仕上がったシリーズとして、十分楽しめたので満足。<以下核心メモ>
物語はケンジの歌と仲間やカンナとの再会でエンドロールも流れたから終わり・・・と思ったら、ともだちランドのドリームマシーンを使って、過去のネタばらしとケンジとともだちの過去の修正・・・って感じで終わるのだが、ヴァーチャルリアリティの中の世界を修正して物語を完結していいのか"?"という感じも。やりたい事もわかるのだが、ケンジの自己満足で終わってる感が強いのがなんとも。
ともだちの正体と事件の終幕は急ぎすぎな気もしないではないが、今までの要素をまとめていった作劇では納得か。
やはり気になったのは、ケンジ達の子供時代を模した町並みと、現代の街の姿の共存がどこまであるのか不明確なところか。あと、終盤のコンサートの準備はあまりにもしっかりした会場だったので、もっとゲリラ的なステージセットのほうが面白かったのに、と残念。