インシテミル

ワーナーマイカル2、評価★★★☆
密室での人間の欲や疑心暗鬼を描いたミステリー。
冒頭で明確なルールが定時され、それに従って進む物語だけど、主役級の役者が揃っている事で展開のドキドキ感は増している様な。映画としての、展開を進める為の明確な役割を、それぞれのキャラクターが持っているので、難解さは思ったよりも無かった気はする。
主人公となる結城を演じた藤原竜也の小僧っぷりは流石。それ以上に感心したのが、自傷癖を持っていたという母親を演じた石原さとみの存在感か。あと、平山あやの湧き出す様な狂気も想像以上に良かったか。
サバイバルゲームの行き着く先という結末なので、後味がいいわけではないが、それでも希望の残る終わり方は悪くない。
あと、この映画はセットが面白く、演出にも生かされていたのが印象深い。<以下核心メモ>
冒頭からいわくありげに見せていた数字が、殺人ゲーム中継を外から見ていた人の数という事が判るのだが、その違和感と気持ち悪さはこの映画の描きたいところなのだろう、と。
そのゲームを盛り上げる為にいたのが、ヒロインと思われた綾瀬はるか演じる須和というのは、見ている側の期待を裏切る演出でいい。まぁ、見回りのところでの結城へのささやきがおかしかったけど、他にも邪魔をしている素振りがあったので、落ち着き先としては納得だけど。
そして、最大のトリックが死んだフリをしてみせた安東か。なぜ、機構まで騙せたのか・・・という疑問は残るにしても、安東が生きていて結城と共に館を後にするラストシーンにした事で、生きている事の喜びを描くという救いになったのはいい。