ヒアアフター

テアトル3、評価★★★☆
クリントイーストウッド監督作品となれば期待するもの。だけど、今回は死後の世界も絡む話しで、イメージと合わないと思ったけども、登場人物を遠くから優しく見る様な視点は最近のイーストウッドならでは・・・と、いったところか。
死者と対話できる男,津波で一命を取りとめた女性,双子の兄を失った少年という3つのエピソードが平行して進み、終盤で交わる構成。予告でのイメージか、それらが序盤から絡むと思っていた為に、やや観るポイントがずれてしまったかもしれない。そういう意味では、読み解く為にもう一度観たいかな?
そんな訳もあって、中盤でやや間延びしてる感もあったけど、終盤での収束感は気持ちのいいものだったのは確か。
ひとつ気になったのは、マット・デイモンが役柄に対して少しマッシブ過ぎないか、という事か。まぁ、イーストウッド監督はまだまだ元気、って事だね。<以下核心メモ>
津波で生き延びたマリーと霊能者のジョージは最後にお互いに結ばれる事を示唆して終わるのだけど、普段なら手を触れた事で死後の世界が見えるジョージがその時は普通に手を繋げたのは、能力が無くなったのではなく、同様の感覚を得ていたマリーとは繋がりあえる・・・という事なのだとは思う。ただ、ここの解釈は改めて観て確認したいのだけど・・・。
死んだ双子の兄の形見として、弟は帽子を大事にするのだけど、それが兄に対しての依存の象徴とは。ジョージを介しての会話で、自立しろと言うの同時に帽子を被るな、と伝えるのは印象的。でも、その後の姿には生まれ出た強さもあるのだから、素敵な流れだ。おまけに、ジョージにマリーのホテルを教えるというお節介までする行動力まで出てくるわけで。