未見の作品としてレンタル。TSUTAYAの発掘良品でのピックアップ作品。
原題は「Two-Minute Warning」。本編を見ると「なるほど」と思う原題だけど、邦題もこれまた「なるほど」となる名タイトル。
アメフトのゲームで満員となったスタジアムに狙撃犯が隠れていて…という流れなのだが、犯人の主観で描かれる冒頭の狙撃、そしてスタジアムにクルマで向かい、オリンピックスタジアムのゲート上に陣取るまでを描く緊張感。その一方で、最大のイベントたるゲームを楽しんだり人生をかけたり放送する為に奮闘する様子をテンポ良く見せるという。
で、1時間過ぎた辺りから狙撃犯に対しての静かな戦いが始まるのだが、この辺でやっとチャールトン・ヘストンが活躍する展開。更に、ここで観客を動揺させずに犯人に対するSWATが登場するのだけど、カッコよさとプロらしさと共に人間らしさも垣間見せていて、緊張感のあるリアル…と言っていいものだと思う。
そして、ゲームの残り2分から事態が急転。狙撃犯の発砲から一気に映画のテンションが変わる。ここまで見ると、今までの時間はこのテンションの変化を起こす為の"溜め"であり、丁寧に様々なキャラクターを描いていたから発生するドラマであったのだと思う。その演出に感心すると共に、画面内の事態には恐怖するわけで。序盤で狙撃犯がロングタイプのマガジンを装着していたのは伊達じゃない。
製作年が1976年という事でテロとかの発想が無い時代故の展開ではあるかもしれないけど、実に緊張感溢れるサスペンスで満足の一本。朝の観客のいない空席のスタジアムから始まって、夕方に客が逃げさって空席となったスタジアムで締める…というのも印象的かと。