ブラック・サンデー

未見の作品としてレンタル。
1977年公開の作品らしいけど、その題材故に日本では公開中止になったんだとか。
ベトナム戦争で捕虜となった男が、テロリストの"黒い九月"と手を組み、アメリカ国民に思い知らせる為にスーパーボウルの会場で大量虐殺テロを企て…というもの。それを国家間の思惑も含み追う事になったのが、イスラエルの諜報員であるカバコフ少佐。と、まぁこんな感じで製作当時の国際情勢をふまえ、米国内で行われ様とするテロを巡っての物語が展開されるという感じ。実際にミュンヘン五輪で名が知れた"黒い九月"を扱って緊張感も十分なんだけど、原作はトマス・ハリスだとかで。まぁ、自分はカバコフ少佐の所属を勘違いしていたりと、実は前半の理解が浅かったのだがw
そんな重めになりそうな題材でも、娯楽としてのテンポも持ちつつ一級のサスペンスに仕上げたのはジョン・フランケンハイマー。テロを仕掛けるほう、それを阻止するほう、それぞれの"プロ"としての意地というか、確実に遂行する様には、監督のらしさが見えた気がする。そして、ジョン・ウィリアムズの音楽も期待以上に物語を引っ張っていったなぁー、と。
終盤での爆発シーンのカットではチープさも見られたけど、後は緊張感溢れる展開にワクワクして見る事ができた。少し長い尺だけど、ラストの盛り上がりを見ればそれまでの溜めとなる様な演出も納得。
カバコフ少佐を演じたのがロバート・ショウ…聞いた名と思えば「ロシアより愛をこめて」の敵役だったのか、なるほど。
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