シャーロック・ホームズ シャドウゲーム

フォーラム1、評価★★★☆
ガイ・リッチー版ホームズの2本目。サブタイトルは、英語では"A GAME OF SHADOWS"。
サブタイトルに相応しく前作で存在だけ見せていたモリアーティ教授が登場し、直接的や間接的にホームズと闘いを繰り広げるというもので。大学で直接会っての会話のやりとりや、パリでの緊張感ある流れは面白い。
舞台がロンドンを飛び出し、パリやスイスになったのは"モリアーティ教授との対決"というのには大切だったんだろう、と。当時のフランスとドイツの関係も大きな要素になっているわけだし。
前作で印象的であった、ホームズの行動前の推理を見せる演出は今回も健在。このカット繋ぎこそが、らしさなんだと思えるもので。ただ、他のアクションが長すぎるところもあった感があり、もう少し全体のテンポを良く出来たのかな?と思わずにはいられない。
そうは言っても、ロバート・ダウニーJr.とジュード・ロウのコンビは安心して見られるもので満足か。ただ、一部トリックを理解していないところもあったのでもう一度観たいかも。<以下核心メモ>
行動前の推理が面白いのだが、ラストではモリアーティ教授もホームズに対峙し同じ事をしてくるのだから面白い。そこまでの、間接的な戦いやチェスでの勝負を踏まえた先にあるのは、頭脳と肉体の勝負!こんな素晴らしい駆け引きは無いじゃないか!…と、思ったのだが決着は原作通り(らしいw)に滝に2人で落ちていくというもの。1本目から強烈なキャラクターを見せていたモリアーティ教授をあっさりこの映画で殺すのか…と、やや拍子抜けはしたがww
一方のホームズも死んだ…と思いきや、兄のマイクロフトが持っていた治療用の呼吸器で生き延びた事をワトソン宛に届いた小包で知るラストで終幕…ではないのが、このシリーズのいいところwホームズの話をワトソンがタイプしていた部屋で、独自の迷彩服で椅子に化けて紛れていたなんて、実にチャーミングじゃないの!
この映画で意外に活躍したのがワトソンの新妻であるメアリー。新婚旅行途中で列車から川に落とされるわ、助けられたマイクロフトにはフルチンで挨拶されるわ…と散々な脇役で終ると思いきや、ラストではホームズ等からの暗号の指示で警察の手伝いまでするとは、新時代の女性像の一つとして素敵に描かれていたと思えるもので。