プロメテウス

テアトル7、評価★★★☆
「エイリアン」の前日譚として作られてたが、途中から変わった・・・という割には、その記号が沢山盛り込まれた映画。スペースジョッキーや宇宙船、そしてウェイランド社となれば「エイリアン」を彷彿しないわけにはいかない。そういえば、タイトルの出方にもイメージがあったか。
そんなわけで、"エイリアンの関連作として観るのか?"という事を迷いながら2時間観てしまったという思いが無いわけではない。物語の着地点について変な想像をし続けたというか・・・。
"人類の起源"という明確なテーマを持っていて思想的な作品に仕上がっているのか思っていたが、そこはそれリドリー・スコットの事、早い展開で要素をうまく見せていた様な気がする。
「エイリアン」との関連は抜きにしても、未知の惑星での冒険ものとして楽しめた。ただ、バイオレンスというかショッキングに思えるシーンが多いのだけは注意しておかないとね。<以下核心メモ>
宇宙船プロメテウスが向かうのは、「エイリアン」に出てきた星とは別なので、この物語が直接「エイリアン」シリーズに繋がるものでは無いのは確かな事。地球の人間を生物兵器を積んで滅ぼしに行こうとする宇宙船を止めるために特攻をかけたプロメテウスの残骸も散乱しているし、スペースジョッキーのところはウェイランドの遺体もあったりするわけなので、ダラス達が気付かない訳が無いし。
あと、最後にイカエイリアンに倒された生命体の腹から、"エイリアン"に似た生物が出てくるのだが、あくまでも似ているだけで違うもの・・・という事からも、別の可能性の話であった事を示唆していたのかな、と。
今回のアンドロイドであるデビッドは、冒頭で他の乗組員が冷凍睡眠の間に映画を見ていたり、お茶目なところがあるのかと思っていたが、やっぱり寝ているエリザベス・ショウの夢を覗き見したり、プロメテウスに隠れて乗っていたウェイランドの意志に従って、ホロウェイの酒に生命体の生物兵器の汁を混ぜたり、その結果でショウにイカエイリアンを身篭らせたりと、その爽やかな姿と裏腹の暗躍ぶりを見せてくれる。まぁ、最後にはショウを助ける手助けをするのだけどね。しかし、古代の文字を読めるのはいいけど、洞窟の中で生命体の作った仕掛けを動かしていたのには、実際に異星人の事をどれだけ知っていたのか…という疑問は残る。
それにしても、冒頭のホログラムだけでなく終盤で出てきた老人として出てきたウェイランドが、ガイ・ピアースが演じていたとは驚いた。シャーリーズ・セロン演じるヴィッカーズが、ウェイランドを父と呼んだのを言葉通りに受け取っていたのだけど、デビッドと同様にアンドロイドであった・・・という可能性も捨てきれないのか・・・。