パブリック・エネミーズ

見直す為にレンタル。劇場で1度観たきり。
先に「デリンジャー」を見ていて、更にジョン・デリンジャーの事を調べたうえで見てると、色々と比較が出来て面白い。
デリンジャー」がアメリカン・ニューシネマの雰囲気がありながらも西部劇的な舞台であったのに比して、「パブリック〜」ではマイケル・マンらしい乾いた雰囲気の都会が舞台になってるのがその筆頭か。
比較という意味で面白いのはFBI捜査官のパービス。前者では恰幅のいい俳優が自信たっぷりに演じていたのに、こちらではクリスチャン・ベールがエリートの雰囲気がありながら失敗時には弱音を見せる様な人間を演じていて、その差がFBIの動きに違いとなって出ていた。
この映画では、銀行強盗を行うデリンジャー対FBIという構図に重ね、愛し合ったビリーとデリンジャーの切ない関係や、ギャングも力の犯罪でなく知能で金を稼ぐ様になっているのに取り残されるデリンジャーの様子を、マイケル・マンらしい乾いたタッチで描いたものだと改めて確認。
最期を迎える前に見ていた映画と言われる「男の世界」のシーンが使用されていたけど、その内容はこの映画でのデリンジャーの状況と被り、クライマックスへの緊張感として効果的だったと思える。
ジョン・デリンジャーを演じたのはジョニー・デップなのだけど、改めて見ると後半はどう見てもジョニー・デップでしかないのが気になったのは確か…。実在のデリンジャーに似ているという点では、「デリンジャー」のウォーレン・オーツの方が上だけど、デップのギャングスタイルは素直にカッコイイ。
パブリック・エネミーズ [DVD]