私的007 50周年総括

昨年末くらいから、「スカイフォール」に合わせる様に見ていた007シリーズと関連作品を完走。以前から「好きだ好きだ」と言いながら、全作品をちゃんと見たのは今回が初めてという。初見のものも含め、製作年代順に見ていった事での発見も多かった。
思えば、007が好きで"あの"テーマソングを聴くだけでワクワクする体質になったのは、親の影響が大きいかったんだな、と。'80年代くらいはテレビで放映される機会の多かった007シリーズを脇で見ていた事から始まった様な。


方々で語られている事だけど、007映画の魅力は"馬鹿馬鹿しさとカッコよさの共存"なんだと、どの作品を見ても思う。勿論、1962年から今日まで50年という時間を経ているので時代としての最先端技術や、映像として技術の差はあるにしても、それは確実に当て嵌まる。
そして、男の子の憧れとしての"銃,クルマ,女"が魅力的に描かれているのがポイント。でも、通して見ると玩具的なボンドカーの登場は以外に少なく、ボンドの銃の代名詞であるワルサーPPKも劇中でしょっちゅう無くすので意外に出番が無いというのは発見w*1


何はともあれ、自分の中でイオンプロ製作の23作品から以下の項目で好きなものを挙げていく。
・ジェームズボンドの俳優
まとめて見ればどの俳優が一番いいのか…って判断ができるかと思ったけど、俳優毎に作風を変えきているので意外に誰がいいとか悪いとか無かったのに正直驚いている。
それでも、スタイルや所作を含めて考えるとピアース・ブロスナンが一番のお気に入りになるか。ネクタイの首元に手を添える演技がとにかく素敵なのね。
・ボンドガール
一番は「ロシアより愛をこめて」でダニエラ・ビアンキが演じたソ連の情報員タチアナ・ロマノヴァ。とにかく、その美しさとエロティックさはダントツだと思う。
後は、「ユア・アイズ・オンリー」でキャロル・ブーケ演じるメリナ・ハブロックの黒髪の美しさや知的さ、「死ぬのは奴らだ」でのジェーン・シーモア演じるソリテールの初々しい姿、「トゥモロー・ネバー・ダイ」でミシェル・ヨー演じるウェイ・リンがボンドと見せるダンスの様なアクション、といったところは印象深い。
スカイフォール」で登場したイヴについては、今後の活躍も楽しみではある。
・クルマ
やはり、何年経っても「私を愛したスパイ」でのロータスエスプリが一番カッコいいという意見は動かない。見れば見るほど嘘臭くてインチキな設定なのだけど、エスプリ自体の車体の美しさを生かしたうえで、水の中を潜らせようというアイデアは素敵。水中シーンも素晴らしいけど、浜辺に上陸する時の馬鹿馬鹿しさとカッコよさの兼ね合いときたらもう!!
あとは「ダイ・アナザー・デイ」に出てきたアストン・マーティンヴァンキッシュも派手な活躍もあったので好きなクルマだ。勿論、アストン・マーチンDB5も大好きではあるけどね。
・悪役
通して見て思ったのが、秘密組織でボンドの仇敵となるスペクターの登場エピソードが少なく、ブロフェルドも結構間抜けな奴だったという事か。
そんな中で、一番好きなのは「トゥモロー・ネバー・ダイ」でジョナサン・プライスが演じたエリオット・カーヴァー。東西冷戦が終結した中で、メディア王というキャラクターを立ててきたうえに、プライスが演じた事での狂気がなんとも言えないものであったと改めて思った。それ故に、劇中でカーヴァーの顔をネタにもしたアクションがあるのがまた痛快。
他には、ずっと気になっていた「美しき獲物たち」でクリストファー・ウォーケン演ずるゾリンが期待以上のもの。ウォーケンの病的なルックスもあって、なかなかに怖いキャラクターであった。
しかし、007シリーズの悪役はどれも個性的且つ魅力的いいよな。
・作品
面白いという事で挙げると「ユア・アイズ・オンリー」か「トゥモロー・ネバー・ダイ」か。
子供の頃には好きだった「ムーンレイカー」は、今見るとさすがにしんどい…。やはりボンドは宇宙まで行っちゃいけないんだよな。
そして、「007は二度死ぬ」での日本人に化けるボンド…というかショーン・コネリーは何度見ても慣れないw映画としては、トヨタ2000GTやケン・アダムス渾身のセット等、見所は多いのだけども。


今回は過去作品を網羅したわけだけど、度々見返す様になるんだろうな。*2
ボンド映画は色々時代に合わせて作られているけど、いつまでも作られる度にワクワクしながら観にいける作品であって欲しいと願うもので。エンドクレジットでの"JAMES BOND WILL RETURN"の言葉に、胸を躍らせつつ…。<おまけ>ガンバレルシークエンスを再現してみたら…
007名物である、銃口のむこうでボンドが銃を構え、その後に血が下りてくるタイトルの演出…いわゆる"ガンバレルシークエンス"をフィギュアで再現してみた。


(1)ショーン・コネリー1
スタンダードな立ち姿。実は、この時はコネリーではなくスタントの役者だったそうな。

(2)ショーン・コネリー2
前に向かいつつ、左手を後ろに広げる様にしてのポーズで少し軽やか。復帰後も同じポーズで。

(3)ジョージ・レイゼンビー
腰を落として前に向かう感じ。出演も1作のみだけど、腰を落とすポーズもこの1作のみ。

(4)ロジャー・ムーア1
右手で銃を構え、右腕に左手を乗せるポーズ。

(5)ロジャー・ムーア2
銃を構えた右手に、左手を添えるように変わっているポーズ。

(6)ティモシー・ダルトン
やや重心を崩した様な立ち姿というか構え。

(7)ピアース・ブロスナン
スッと立って折り目正しく銃を構える感じ。洗練されてダンディーに見えると思う。

(8)ダニエル・クレイグ
ブロスナンと似ているけど、筋肉質なクレイグらしく力のこもった感じ。「慰めの報酬」を参考にしたのだが、「カジノ・ロワイヤル」では少し腕の流れとかが違うけど、こちらはシークエンスの使い方も違うので仕方が無い。

…どれも味わい深いけど、(7)のブロスナンがボンドらしい姿だと思うなぁ…。

*1:初期は撮影の都合で、PPKで無いものを携行しているシーンも多いが

*2:でも、ソフトを買わないのは本数もあるけど「ムーンレイカー」とかが引っかかるから…w