聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY

テアトル7、評価★★★
CGアニメーションとして作られた「聖闘士星矢」。全くの新しい作品となり、星矢達と黄金聖闘士との戦いを描くもの。キャラクター設定やクロスの設定も変えての、いわばリブート作品というところだろうか。
とにかく、安藤賢司さんの手がけたCGだからこその細かいパーツが組み合わさったクロスの設定がカッコイイ。そして、その装着シーンのカッコよさだけでも、この作品を作った価値があるんじゃないかと思えるもの。ただ、フェイスガードについてはアイデアは面白いけど、シーンによっては邪魔なんじゃないかと思えたのは確か。
新しくなったキャラクターは、かなり21世紀風に置き換えられているな、と。星矢なんかは、熱血的な熱さというよりは、平成ライダーの主人公に近いバカだけど芯の強い奴という感じで。ほかの主要キャラも短い尺故に絶対的な掘り下げは足りないのは仕方が無いけど、かと言ってそれぞれのキャラの魅力がスポイルされているわけでは無いので、後半への盛り上がりへもスムーズに付いて行けたと思える。それにしても、CGアニメーションを意識してか、日常的な動きもかなりオーバーに表現されていたな。あと、眼球が海外のCGアニメっぽいというか。
設定といえば、サンクチュアリが「マイティ・ソー」を髣髴とさせる様な異世界だったけど、美しい世界であり、クライマックスを考えればいい事だったのではないか。
アテナと教皇の事の始まりから、教皇との戦いまで一気に駆け抜けた感はあるけど、映画らしい展開での面白さを持った一本になっていた。
気になっていた、城戸沙織を演じたももいろクローバーZ佐々木彩夏は意外と自然だった…と思ったのだが、最後の演説では流石に駄目だと感じてしまう。まぁ、その部分は台詞もくすぐったいものであったのだけどw<以下確信メモ>
黄金聖闘士スコーピオンのミロが女性であったというサプライズ要素はあったけど、それ以上に驚きだったのがキャンサーのデスマスク。いきなり床にある顔が歌い始めたと思ったら、ミュージカル調の演出になるのだもの。まぁ、そういう演出もタイバニを経たさとうけいいち監督ならば納得…とは言えるのだけど、ちょっと浮きすぎた感は否めない。
教皇の正体がジェミニのサガというのは原作と同様。但し、巨大モンスター化してしまったのはどうかと思ったけど、短い時間の映画として盛り上げるにはそれくらい必要なのかもしれないね。
そんなジェミニとの戦いで星矢はセブンセンシズに目覚めるのだが、繰り出す拳の先に他の4人の青銅聖闘士をモチーフとしたパーツが出てきたのには苦笑。サジタリウスのクロスを装着して、とどめをさすのはポスタービジュアルにもあった。