マッドマックス 怒りのデス・ロード

テアトル6、評価★★★★
旧作を見ていなかったので、見るかどうか迷っていたところだったけど、なんか色々と気になってきたので観たわけで。
予告で見ていた、独特の装飾を施したクルマの列の勢いだけで、そこに暴力だけを乗せて進むのかと思っていたけど、意外にも2時間という尺の中で、出した要素を上手く繋げていくという展開に丁寧さを感じた。まぁ、その要素の中には疑問やツッコミどころもあるのだけど、それはそれというか。
"マッドマックス"というタイトルの通りに、マックスが主人公ではあるのだけど、物語としての主人公はシャーリーズ・セロンが演じるフュリオサであった様な雰囲気。悪役であるイモータン・ジョーの子供を産む為の女性達の救出という流れがあるのだけど、それ意外にも人間の狂気というよりはバイタリティに焦点を当てている気がした。
そんな予想外の雰囲気に感心をしながらも、独特なクルマの活躍にはそそられるわけで。エンジンを2つ乗せたトレーラーとか、ヤマアラシの様な棘があるクルマ等の中でも、キャタピラで走行するのに乗ってるボディはクルマのものというピースメーカーが気に入った。まぁ、緊迫した襲撃の中で、トラックの先頭で弾いてるギターから炎が出たり、後部で太鼓を叩いてるというのはなんとも言えない不思議なものではあったよ。
観ていて気になったというか印象的なのは、バックに流れる音楽や
なんか、絶対的には好きではないタイプなのだけど、画面内に色々とありすぎて思い返すともう一度観てみたくなる、という気分になる不思議な映画であった。<以下核心メモ>
フュリオサが女達と逃亡した先は産まれ故郷の「緑の地」であるのだけど、そこは既に通り過ぎてきた場所で汚染が進んでいた・・・という事実を知らされて絶望する事に。このくだりは、少し「戦場は荒野」を思い出していた。
そのまま塩の湖を越えて東に進んでも見込みは無いから、出てきた要塞に・・・というマックスの提案の通りに。それでジョーを倒して要塞に辿り着くのだけども、序盤でジョーに与えられた水に群がる人々や、昇降機から蹴落とされる人々を描いていた事もあってか、ラストシーンの群集からは、もの凄く力を感じるわけで。
マックスは冒頭でジョーの一味に捕まりニュークスの為の血液供給用の人間として扱われ、戦闘での名誉の死を望んだニュークスが一緒に連れ出し・・・という展開であるのだけど、ニュークスがマックス達の手助けをし、女達の一人と恋心を抱く展開は意外であった。それは、戦闘中にニュークスが女達を守る為に死ぬ事で悲恋となるのだけど、そういう心境の変化も人間のバイタリティを描く一面であったのかもしれないなぁ、と。