進撃の巨人 エンド オブ ザ ワールド

テアトル7、評価★★★★
実写版「進撃の巨人」の後編。
冒頭で前編の流れをざっと流すけど、いきなり話に入るもので。前半は世界観に関する話でちょっともたついた感じもしたけど、後半は戦闘ばかりでなかなかに楽しめた。設定や物語を原作から大きく変えていたものではあったけど、正に映画として纏める為の変更であり、日本人の俳優を使った事も含めて日本的な映画を撮りたかったんだろうという想いもあったと思われるもので。
前半では"喰われる"という生理的な恐怖が全体の雰囲気を占めていた気がしたのだが、後半はそれが無かった様な。それが悪いのではなく、展開上後半は少ないキャラクターでのサバイバルという要素もあったから、そういう違いがあったのだろうと。ただ、レーティングもあって残酷な描写はそれなりにしっかりと。
やはり、2本に分けた必然というものは感じられなかったけど、実写で見せる表現として面白く仕上がっていたと思う。<以下核心メモ>
現用兵器が登場してはいたけど、舞台が明確に地球の未来であり人間が突然に変異した姿が巨人であるという設定が。後編の冒頭でエレンに父親が注射をするという原作の設定からの引用があったけど、それは変異に対してのコントロールできる鍵だったのか?ちょっと読みきれていなかった部分。
人類最強として出てきたシキシマが、エレンと同様に巨人化して鎧の巨人になるという。シキシマは壁を作って真実から人々を遠ざけ様とした壁の中央にいる者たちに巨人を仕掛けようとするもの。処刑されそうなエレンを救った後に出てきた白いジュークボックスのある部屋、あれが何の場所であるのか明言されなかったけど、現実なのかイメージなのか曖昧な雰囲気にしたのは、ひとまずのエレンの再起に必要だからという事であったのだろうか。最後の最後で、そこの住人・・・もしくはジュークボックスの言葉が出てくるから、その存在というものは気になるのだが。
冒頭にて鎧の巨人の襲撃で死んだと思われたクバルが再登場、不思議な生命力で巨人になるな・・・と思ったら大型巨人に変身という驚きの展開で。ここでエレンは巨人化せずに挑むのは、映画のクライマックスとしていい盛り上がりだと思える。巨人化していないからこそ、壁の上でミカサと2人でいるというシチュエーションも成り立つわけで。
そして、エレンとミカサが見た壁の外には海が見え、東京らしい廃墟が広がっているというもの。その瞬間に日本の未来を描いたSF作品であったんだと明確にされる展開は嫌いじゃない。そんなところから巨人が来ていたのかという、不思議な感覚はあったけども。