ベオウルフ

テアトル7、評価★★★
『「LOTR」に匹敵するストーリー、「300」をも凌駕するアクション』というアオリ文句は最低。
マルコビッチの怪演は想定内だったけど、ホプキンスの方はちょっと衝撃的だったか。まぁ、それ以上に衝撃的だったのは、ベオウルフがフルチンの勇者だった事か。しかも、丁寧に局所を隠す演出に目がいってしまうのだが。
世界観を創り出すためのCGは有効だったのだが、ベオウルフの戦いなどが、CGのクセが強すぎたのが気になった。
原典が古典である為演劇的なシーン構成と、映像の美しさがいい感じに合わさった、いい映画には仕上がっていたとは思える。ただ、ゼメキスらしさはあまり感じられないと思うのだが。<以下、核心メモ>
テーマは、「女の色香には気をつけろ」って事なのかな?
前半でベオウルフの強さを見せながらも怪物との因縁を明確にし、そこからその勇者が魔物の持つ色香と権力に落ちる姿、というのがいかにも古典らしい。それでも、最終幕には勇者らしい強さを見せて、王女を守ってドラゴンを倒すという、ヒロイックなところがあるから物語として成立しているのかと。
ドラゴンとの戦いでは、急所が前半で明示されていたので、そこをどう攻めるのか?というのが感心になるのだが、素手で心臓を捻り潰すというのが勇者らしいところか。しかも、手の届かない距離を稼ぐ為に自らの腕を切り離すという、強さまで見せて。
転落、虚栄、という姿を見せた後の強さには、今更という感はあっても、皆が持っている後悔からの挽回というのがあるのだと思う。