隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS

テアトル5、評価★★★
結局オリジナルは見ない状態で観る事に。
それでもパンフレット等からの情報では、プロットのみの借用で、シナリオは新規のものだという事で。「リメイクもの」、更に黒澤作品という事を考えると実にやりにくい手法だとは思う。
キャラの立ち位置が変わった事で、物語はサブタイトルにある様に、姫が展開の軸となっており、そこに主役となる金堀りの武蔵が絡み、ロマンスまで転じるという流れ。そうなると、姫を演じる長澤まさみの魅力だけで映画が成り立ってしまうんだよな。前半の逃亡ルックは、後半の着物よりも魅力的だと思える。
なんだかんだいっても、時代劇エンターティメントとしては素直に楽しめたのではないかと。樋口節も一部の特撮に見られたくらいで抑え目だったし、中島かずきの脚本も伝奇性の無い時代物になっていたか。<以下核心メモ>
高嶋政宏演じる関所の役人が男色で、それを逃れる為に武蔵達に女である事が知られるくだりは、蛇足だろうけど面白い。それが鷹山の残忍さを示すシーンに繋がるわけだし。
姫と武蔵のロマンスが成就するのか…と思ったところで、ラストで武蔵が去っていくのは、ある意味気持ちはいい。ただ、「裏切り御免」のセリフを言わせる為なのか、直前の馬上のタメは長すぎたか。まぁ、途中の姫の「裏切り御免」は、唐突な感は強かったけど。
クライマックスの砦脱出のくだりは、六郎太VS鷹山の戦いと、姫と武蔵の逃亡が分離してしまった感があるのはちょっと残念か。それでも、授かった小太刀のリレーという演出は面白い。