デトロイト・メタル・シティ

テアトル2、評価★★★★
原作コミックは未見。
バカ映画になるかと思ったけど、「夢」というテーマを軸に持って来たことで、実に映画らしい映画に。画面の空気は、突出した斬新な映像というよりは、今の日本映画そのもの。大分のパートなんて、泣けるもんな。
あと、変身ものという要素も含めているのね。途中に戦隊ショーが入るのも暗喩なんだろうか。それにしても、その戦隊の頭はチープだったなw
そうは言っても、松山ケンイチ演じるクラウザー様は見事。ステージ上でのあまりの快演ぶりに、今後まともな仕事は来ないのじゃないかと心配してしまう程。
デスメタルという殺伐としたものを描きながらも、想った以上に映画として楽しめたので満足。
オープニングがアメコミっぽくて面白い。<以下核心メモ>
冒頭でのお守りが、再度帰郷した時にもう一度出てきた時には、涙が出てきた。大分のいい空気をうまく取り込んで、夢を見るという事を語るいいシーンになっていた。もちろん、そこでは何故かクラウザー様が闊歩するわ、後の布石となるべく牛との触れ合いもあったりと、見せ場は十分。宮崎美子のお母さんが暴走するんじゃないかと思ったけど、息子を暖かく見守る母として実にいい演技をしていた。
最後のバトルでの掛け合いは見事。クラウザーの姿を見てギターを託したジャックとのやりとりなんかも素直にカッコいい。もちろん、その後は何故か甘い歌を歌ってしまうのだが。しかし、とどめは「SATSUGAI」…と、思ったら相川さんのヒヨコで締めとはツボを抑えた感じか。