レッドクリフ PartI

テアトル1、評価★★★
ジョン・ウーが描く三国志。思った以上にウー節の強い映画であった。アクションに…というよりは、映像演出やシナリオにおいて。
豪傑たちの熱い物語というのは、ジョン・ウーには合ってるのかもしれない。時代劇が今回が初めてとはいえ、現代劇的な空気も取り入れての演出は悪くない。
とはいえ、二丁拳銃ならぬ二刀流は出てくるし、ユエン・ウーピンのアクションもそれらしいのがあったり、白い鳩はちゃんと出てくるし、と基本要素は忘れていないわけで。


金城武孔明はどうか?…とは思ったど、意外に穏やかな表情を持っているから合っていたかも。劉備が活躍していた時だから、まだ若いわけだし、その飄々たる演技はなかなかのもの。
あと、中村師童がどうかと思ったけど、意外にハマっていた。まぁ、強面の兵士という役柄はいつもやってるといえば、そうなんだけど…。
後の役者は、思った通りというか。趙雲が動きも多くカッコイイ。ただ、張飛の戦いの描き方がやりすぎな気も…。


物語の展開は、細かいエピソードを、演義から持ってきたのとか独自のものとか織り交ぜて、構成している感じなのであまり身構えずとも観られるものと思える。まぁ、2時間半となると少し長い気はするけど。
あと、冒頭に日本公開用の映画の背景を語る解説が入るが、有り難いとは思う。


ともかく、ジョン・ウー三国志。第二部でどうなるかを見定めたいところ。<以下核心メモ>
今回の戦いは、水軍が活躍する前の、陸での八卦の陣をクライマックスに持ってきているのだが、その戦いでは劉備孫権軍のそれぞれの猛将の戦いがクローズアップされる流れに。
もちろん、陣形の変化や、時間に沿っての攻撃の変化等の大局としての見せ場も十分。
ただ、締めくくりが第二部に繋げようとする余り、赤壁での戦いの前振りとも言える睨み合いの構図となるシーンが長かったのが気になった。