劇場版仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー

ワーナーマイカル1、評価★★★☆
巷でも想像以上に話題の、ディケイド劇場版。
映画として観られないワケではないけど、やはり脚本のまずさ、というか展開の無理矢理さが目立つ。ドラマ部分での個々のシチュエーションはいいのだけど、うまく繋がっていないというか。正直、前半のライダーバトルは、映像的な面白さはともかくとして、展開としてはいらなかったかも。
そんな物語のまずさを吹き飛ばすのが、終盤でのオールライダー勢揃いの画。ディケイド本編がオールスター戦くらいとすると、今回の勢揃いはナショナルチームに匹敵するくらいのワクワクぶり。立って並んでいるのを流すだけでも、十分な迫力。入り乱れての戦闘も、数のチカラを見せ付けるもの。でも、もう少し個々の特殊能力を見せてくれてもよかったのに。スーパー1の腕の能力とか、ストロンガーの電ショックとか観たかったのは正直な気持ち。
ひとまず、話はこの際置いておいても、平成ライダー10周年記念作品となるディケイドらしい、お祭り感覚溢れる映画としては楽しかった。<以下核心メモ>
話の主軸となるのは、士が大ショッカーの大首領であった事と、シャドームーンにその座を追われてからの仲間との物語、という事であるのだが、その描き方が半端で。でも、その転換となるのに結城丈二を持ってきたのはいい流れか。士に右腕を奪われた・・・というのが、結局のところ士が戦う為のきっかけになる、という展開は熱くていい。
ただ、そのGackt演じる結城丈二がそのシーンだけの登場であり、右手の武器がどう考えてもライダーマンに繋がらないものなのは残念。せめて、ラストでの去り際にブラック=倉田てつをやアギト=賀集利樹と同様に、イメージででも士に声をかければ良かったのに。
ラストの去り際といえば、ライダーらしくみんなバイクで去っていけばカッコよかったのだろうけど、そこはバイク調達の都合等で無理だったかな?
そして、最大の関心事であったJの扱いだけど、ディエンドの切り札であり、ディケイドがFFRで大きなベルトになり、そのベルトでJがコンプリートフォームにカメンライドするという展開は正直驚いた。最後のキングダークへのキックが、歴代ライダーがカードとなってそれを突き進んでのキックで倒すという流れもカッコ良すぎ。
カッコいいといえば、死神博士イカデビルへ変身する時の効果が、石橋蓮司のコワイ顔と合わせて実にいい。
あと、今回の映画で次のテレビ作品となる仮面ライダーWが出てきたけど、いかにも付けたしって感じで残念。あのシーンをカットして、少しの撮影だけすれば無かった事にできるレベルなんだよね。