南極物語

見直す為にレンタル。公開当時劇場で観た他、テレビでも見た覚えはあるのだが。
冒頭から、突き放した雰囲気でドキュメンタリーっぽく描いていて、思ったよりは感情移入を避ける。感じ。高倉建の落ち着いた演技にも要因があるのだろうけど、そんな空気に和やかさを出す渡瀬恒彦とのコンビがやはりいい。
犬が置き去りになってからは、日本でのパートと南極の犬達のパートが同時進行するのだけど、今見ると犬のパートが想像の産物である事を考えてしまいちょっとダルい。まぁ、穏やかなナレーションを被せているという事もあるのだけど。もっとも、気の迷いで犬が喋る・・・という演出で無かったのはホントに良かった。ダルいとは言っても、壮絶な最期を遂げる犬達の演技が見事過ぎて、その姿には自然に胸が熱くなる。やっぱり、犬の辛いシーンはスタジオ撮影が多かったけどね。
そんな、動物をダシにした子供映画と思いきや、渡瀬演ずる越智が夏目雅子演ずる恋人に情熱的に唇を重ねるシーンもあったりと、妥協は無かった。
時代ゆえに記録フィルムの流用等もあったけど、東宝の大作に違わぬ重さを持った映画であった。
但し、DVDの状態は南極の空や雪原を相手にするには良く無く、実にノイズが気になるものであった。もしBD化されるのなら丁寧にマスタリングを実施し、特典としてメイキングなんかも入れて欲しいものだ。
南極物語 [DVD]