地獄の7人

未見の作品としてレンタル。
公開が1984年となっているけど、その時期でも"7人"を邦題に掲げていたのか、と驚き。まぁ、主要メンバーは確かに7人だがー。原題だと"UNCOMMON VALOR"、直訳で「稀な勇気」?邦題から戦争アクションのバカ映画であるイメージを持っていたのだが、ベトナム戦争でのMIAを扱った作品・・・しかも、そのさきがけであったとは。
物語は、息子がベトナムでMIAとなったジーン・ハックマン演じる退役軍人が、息子の戦友達や、父親を捕虜とされた青年を集め、同じく息子が行方不明となっている富豪の援助を受け、収容所を襲撃しようというもの。ここで、富豪の援助というのがポイントで、その財力を生かして収容所を模した訓練所を作って、そこでキャンプしながら襲撃の訓練をするというシーンが実に長い。そこには、ベトナムからの帰還より10年経った事で鈍っていたメンバーを鍛えるという意味もあったもので。ここでの流れが、それぞれの特技や人間関係を作り出していて、襲撃時のそれぞれの動きに説得力があるものと思えた。しかし、ヘリ3機が連なって飛ぶ訓練の様子はカッコよかったな!
そんな周到な準備も、潜入前にCIAに阻止され準備した武器を取り上げられるのだが、そこからがまた面白いところ。手持ちの金で買える古い武器をなんとか整備し、準備するくだりはワクワクする。実際の突撃時も、練習ではCAR-15だったのがトンプソンだったり、無線での爆破が有線になっていたりと、それらの違いを踏まえて見るのも面白いのかもしれない。勿論、その不十分な装備ゆえに苦戦を強いられるのだが。
時代背景も踏まえてのドラマと、戦争映画・・・チームものとしてのアクションが上手い具合に混ざった面白い映画だったな、と。集まったメンバーの個性で切り抜ける物語としては、邦題もあながちハズしたものじゃないのかもしれないな、と。
地獄の7人 [DVD]