009 RE:CYBORG

フォーラム1(3D)、評価★★★★
サイボーグ009」の新作。と、言うより神山健治風味でリブートしたというか。
とにかく、落ち着いたキャラクター造型と、現代という雰囲気を取り込んだうえに、009にて決着の付いていない"神"という要素をうまく組み込んだ物語は腰を据えてしっかり観られるものであった。
ストーリーは、全世界で発生している連続ビル破壊テロが発生するのだが、その犯行に関連した者は"彼の声"という共通のキーワードで関連続けられ、それを止める為にサイボーグ戦士が再結集を・・・というもの。それでも、結構短い尺なので、9人のサイボーグ戦士の活躍が存分に描かれるわけではないが、それでも各キャラクターの役割は明確になっているので、不満という程でもないのか。数あるエピソードの1篇としても捉えられるわけだし。
メインとなるのは009と003、そして009とのわだかまりを持ったままの002という事になるのだが、002の立ち位置が映画のスケールを大きくして、展開を面白くしたなぁと思えるわけで。
今回の映画、3Dで作ったキャラクターをセル風にしたものだけど、コマ数を調整して手書きアニメに近い動きにしたとかで、CGという印象はあまりうけなかった。009の加速の演出なんかも、CGならでは・・・という動きではなかった。勿論、演出はデジタル処理なんだけどね。やはり気になるのは、細かい手の動きか・・・002がよくタバコを吸っているので、それが気になったというか。
しかし、003の色っぽさというかエロさは、話に聞いていたとはいえ想像以上だったなぁ・・・。<以下核心メモ>
"彼の声"とは何か・・・というのは、曖昧に描かれるだけども、最後に宇宙空間で核ミサイルを処理する時に叫ぶ009から神という言葉は。勿論、サイボーグ戦士達のこれからの戦いを考えると、曖昧なままでいいものなのだろうけど。
009と002が"彼の声"によって動かされたという事から、彼らの正義の為に戦うという流れはいい。009は記憶が無い時に六本木でビルの破壊をしようとし、002はNSAで破壊活動を行ってしまうのだが、その後にそれぞれの"彼の声"の解釈で、自らの正義を導きだすというのが、能力を付加されたサイボーグでも、あくまでも人間という事なのだろうか、と。
ただのテロと思われたものが、最初のテロは巨大企業が絡んでいたものであり、その始まりから"彼の声"に導かれたものであったという事で、物語はその存在に寄る事で。その流れの中で002がNSAに在籍する事で、巨大な力の中での流れが描かれるのはいいな、と。