るろうに剣心 伝説の最期編

テアトル6、評価★★★
実写版「るろうに剣心」の最後で、連続公開の2本目。
正に続きという事で前作の終わりからの流れを受けた形で始まる物語。前作で謎の男という表記であった剣心の師匠との物語から始まり、その教えで戦える様になった剣心と蒼紫との戦いでその強さを見せつけ、クライマックスの志々雄との戦いに流れるのだが、迷い焦る気持ちから再び成長する姿を見せるという事で、3本目で一番剣心が主人公らしく見えた気がする。それまで人斬りであった苦悩は描かれたけど、それに対しては気持ちを整理していたという雰囲気であったから。
この映画、コミックスの原作という事になるのだけど、実際の俳優を使うことでの生々しさを持たせつつ、大河ドラマ的な雰囲気で明治という時代を作った人たちや時代を描くという筋もあったという印象。このあたりは、監督が幕末の大河ドラマを経てきたという事は影響しているのかもしれない。まぁ、大河ドラマの終盤同様に回想シーンがだいぶ盛り込まれていたのには苦笑する事もあったけど。
売りのひとつであるアクションは今回も冴えていた。クライマックスという事で、アクションの量が多い事もあるけど、まだまだ時代劇のチャンバラもこういう見せ方があるんだと感心するばかり。
135分という長めの尺で不安があったけど、その不安も消えるようなテンポの良さはあったと思う。気になるところが無いわけではないけど、見応えのあるドラマとして素直に楽しめたかな。<以下核心メモ>
師匠からの修行の後、蒼紫を倒して展開として後顧の憂いを無くして志々雄戦へ…と思ってたら、そこに蒼紫が助太刀として乱入してきて驚いた。と、いうより流れから無理が在り過ぎるよ…。
予告でどうなるかと思っていた剣心の公開処刑からの脱出は、首を落とす役割が斎藤一で、捕縛の縄を切って一斉の反撃に転じるというあまり捻りの無いものであった。それより、その役割で着物姿であった斎藤が斬り合いの途中で警官の服になっていたのはツッコミどころなのどうか迷ったところ。
志々雄との戦いは、全身の火傷で発汗機能が無く体内の発熱のために15分しか戦えないという時間制限有りのもの。その時間制限を超えてからの由美の死とか、剣心の奥義とか一気に盛り上がった感じ。やはり、志々雄というキャラクターは藤原竜也の怪演があってこそのキャラクターだったよなぁ、と体内から発火し死んでいく様を見ながら思った。
浜に戻った剣心らに、伊藤博文達が敬礼をするのだが、「侍達に敬礼」という台詞はやりすぎな気が。まぁ、明治という時代の船出を描くという、もうひとつの軸を考えれば妥当ではあるのだけど。