インターステラー

テアトル1、評価★★★★
SFで滅びの危機にある地球から脱出する為の星を探す物語と思っていたが、地上に残された家族のシーンも多く親子の映画になっていた。そこに、時間という要素を宇宙旅行での物理法則を通じて描かれているという。
終盤は「2001年宇宙の旅」の様な雰囲気になるのかと思ったが、そこは「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督らしい独創的な空間が描かれドラマになるというもの。
冒頭からのドキュメンタリータッチの映像や雰囲気でドライな物語になるのではと感じたものが、登場人物の思惑が見えてサスペンス的になりつつ、最後には優しく着地した物語という事で心地よい感動を得られるわけで。3時間弱という長い尺で心配してはいたのだが、飽きる事無く一気に時間が過ぎた感じであった。
ただ、展開としては意外と素直であったのだが、SF的なトリックや科学的事象が多数出てきて混乱しつつもあったので、再度観てみたいな。<以下核心メモ>
人類が滅びるのを避ける為に立てられたプランが、重力を制御したコロニーでの脱出か、冷凍保存した卵子を運んで新たな場所でやり直すというもの。地球に残った人々を助けるには前者を成功させるしか無いのだが、それを提唱した博士も実はブラックホールの観測データが不足している為に不可能だと判っていた事がポイント。そこに、決死の冒険の果てにブラックホールに飛び込む父のクーパー、博士の下で重力制御をなんとかしようとする娘の思いが繋がる事ところが素敵。冒頭で幽霊の仕業と娘が言っていた事象が、実はブラックホールに飲み込まれて別次元にいた父からのメッセージであったという展開はSF的なワクワクと人間的な優しさが伝わる素晴らしいシーン。中盤で、時間の概念が異なる惑星に降り立った事で23年の年月が経過してしまい、その間に成長し親にもなっている息子からのビデオメッセージで無慈悲な時間の経過を見せていた野も効果的であったと。この時間経過を示すシーンは胸に響くものがあった。
宇宙船のデザインが個性的で且つ展開に上手く絡むいいデザインであったけど、さらにサポートメカというかコンピュータのTARS達が面白かった。モノリス状でありながら、機動性もあり人間味もあるその様子は、正に"相棒"と言うにふさわしいものであったと思える。