アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン

イオンシネマ福島7、評価★★★★★
アベンジャーズ」の2本目。
あくまでも「アベンジャーズ」の続きというイメージなのかと思ってはいたけど、これまでのMCU作品を一気に纏める様な雰囲気で、且つ「シビル・ウォー」の様に後に続くシリーズの雰囲気を感じさせるというもの。それでも、続きものの途中というわけでは無いのはポイントか。
これまで10本の関連作があったのだけど、"こういうシーンであれば、このキャラクターはこの場所にいるだろう"というものが実に的確に描かれており、実に楽しい。意外に、こういうシリーズものでここまでの見せ方をしたものは無かったんじゃないかと。勿論、それが単なるファンサービスではなくて、世界観の構築に繋がっているだから。
"ヒーローチーム"としての成り立ちは前作で見せていた分、チームの活躍が素晴らしいのは当然ではあるのだけど、弱さも併せ持つヒーロー達だからこその危うさが描かれているのが、このシリーズというかアメコミらしさなのかもしれない。
個々のヒーローの特徴を生かした見せ方は素晴らしいのだけど、今回は特にホークアイが素晴らしい。ジェレミー・レナーという脂の乗った俳優を使いながらも、前作は操られたり戦闘だけだったりと、その魅力がいまひとつ見せられなかったのだけど、今回は"一番一般の人間に近い立場のヒーロー"という姿を印象的に見せてくれた気はする。また、ブラックウィドウスカーレット・ヨハンソンも、「ウィンター・ソルジャー」での雰囲気を踏まえると、実に面白いキャラクターを演じていた。
ただ、あまりにもMCU映画の要素が濃すぎるので、世界観を把握していない人には色々と、とっつきにくいところはあるんじゃないかと思う。そのあたりを考えると、"愛を前面に出した陳腐な宣伝"もある意味で止む無し・・・という事なのだろうか。
まぁ、自分としてはオープニングシークエンスからの圧倒的なアクションで引き込ませる演出で一気に見せるMCU作品として、存分に楽しめた映画であった。次への期待も含めて。<以下核心メモ>
予告の印象で、スタークの作ったウルトロンが暴走を・・・と思っていたのだけど、当たり前だけどもっと複雑で、その正体はAIで自我があり、その意思によって起こる危機であったという事。
そのウルトロンが人類を滅ぼすために、東欧の街ごとを浮かせて衝突させるという所業に。前作ではNYというビルの立ち並ぶ都市で巨大なものとの戦闘というインパクトはあったけど、今回は全容を見ると凄まじいというか。その落下を阻止できるかという攻防に、取り残された街の人たちの救助というミッションも加わる事で、クライマックスの緊張感葉盛り上がるというもの。


クライマックス以外に、単体としても他の作品の関連としてもポイントは沢山ありすぎるので、箇条書きで。
・スカーレットウィッチとクイックシルバーが「WS」で登場していて、ヒドラとの関連は描かれると思ったけど、オープニングシークエンスがヒドラから"ロキの杖"を取り戻すといういきなりのクライマックス感。
・予告で印象的であった横並びで飛び出していくカット、そのオープニングでのものであったから、勿体ぶらずに出していたのか。
・でも、対ヒドラは物語の本筋では無いという事か、ストラッカーはあっさり退場という。
・パーティのシーン、主要メンバーだけのものかと思ったら大掛がかりなシーンという。ファルコンにローディ・・・という勢揃いっぷり。ペッパーとジェーンがいなかったけど、いたらどれだけ華やかだったか。まぁ、その分スタークとソーのパートナー自慢が面白かったわけで。
・パーティの余興として始まったムジョルニア持ち上げ大会、キャップの番で僅かに動いた時のソーの素に戻った様な表情が印象的。
・スカーレットウィッチの能力でアベンジャーズは悪夢を見せられるのだけど、その中でのキャップが悪夢の中でペギーとダンスを踊るのが「WS」からの流れを考えると悲しくなる
・その悪夢に惑わされなかったのがバートンなのだけど、"以前に経験がある"と言ってかわすのがカッコいい。そのバートンの力で、スカーレットウィッチはクライマックスにアベンジャーズとして戦うのだけど、彼が家族を持った父親であるという事を見せられると納得できる。
・ハルクバスターは、ハルクが惑わされて暴れた為にスタークが止める手段として使うものなのね。衛星から降りてくるとか、コンテナから破壊された箇所の予備が来るとか、ハルクを止める為の装備が充実しているとか、想像以上のギミックと活躍には玩具が欲しくなるくらいのもので。
・ウルトロンが入る為に作っていたボディ、それを防ぐ為にジャービスをインストールして誕生したヴィジョンだけど、その肝となるインフィニティストーンの一つが"ロキの杖"にあったというもの。
・インフィニティストーンという事で、今までのMCU作品がまた一層の結びつきを見せてきたわけで。少し別枠かと思っていた「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」も近づいたなぁ、という感じ。
・ラストで、それらのインフィニティストーンが出現して大きな何かが・・・と言う事で、その言葉から期待する通りにエンディングではサノスが登場。
・ヴィジョンの登場で、ウルトロンとの戦いは彼が中心になってしまうのかと思ったけど、そこはちゃんと元のアベンジャーズがメインであって安心。
・でも、最後のボディに入ったウルトロンにとどめをさしたのはヴィジョンだったか。
・ヴィジョンはムジョルニアを扱える事ができたのだが、それでソーの信頼を得るという展開は、ソーの考え方が判るという事でも面白い。パーティでの余興もちゃんと伏線になっていたという。
・今作でバナーとブラックウィドウの関係が近づき、彼女は作られたスパイとしての側面が描かれたのだけど、バナーはハルクとして戦いの後に去ってしまったのだけど、この辺りは今後の展開が気になるところ。でも、考えるのは「インクレディブル・ハルク」での人間関係はまっさらな状態になってしまってるのかなぁ、という事。
・浮き上がった街から人々を救出するのに困っていたところに現れたニック・フューリーが持ってきたのはヘリキャリアー。正に"本来のシールド"らしい活躍であるのだけど、「WS」以降の再建でどんな流れがあったのか「エージェント・オブ・シールド」のシーズン2がどうなっていたのか、気になって仕方が無い。
・戦い終わって新しいアベンジャーズ基地に揃ったのが、スカーレットウィッチ,ウォーマシン,ファルコン,ヴィジョン・・・と、新しい顔ぶれで揃っているのが頼もしくてカッコいい。勿論、こういう絵が「CW」に繋がると思うのだが。
・それにしても、ラストに出てきた時のスカーレットウィッチは、それまでの印象とガラリと変わる美しさだったな。