マジックアワー

テアトル7、評価★★★★
タイトルの「マジックアワー」とは、夕方の太陽が沈んでからのわずかな時間の事。それを語る、村田の後ろにあるマット画が見事。
三谷劇というと、舞台劇の様な演出が味になるのだが、今回は映画の製作という部分も描いているせいか、守加護という街を舞台としながらも、舞台的な演出よりも映画になったなぁ、と感じる。照明効果も効いてるし。それでも、ホテルを中心に据えたセットの展開は見事!ホテルの一室から路地をぐるりと見下ろす視線は流石としか言い様が。
三谷組のチョイ役は、フジテレビ&亀山という事でうるさくなるんではないかと思ったけど、前半に必然的に出てきたので良かった。
まぁ、何はともあれ佐藤浩市の怪演がなんといっても見所。スクリーンで観ててもその楽しさは伝わってくる。あと、深津絵里綾瀬はるかがなんとも言えないのよねぇ〜。
そういえば、キリンの一番搾り佐藤浩市三谷幸喜共演のCMは、劇場用完全タイアップ版もあったのね。<以下核心メモ>
序盤から繰り返し出ていた劇中劇「暗黒街の用心棒」の主役俳優が実は、守加護にCM撮影で来ていたという展開が面白い。そこでの「自分もマジックアワーを待っている」というセリフは人生賛歌として好き。そのセリフを受けての最後の大芝居になるのだから。
その大芝居のしかけを作るのがこれまた劇中劇「黒い101人の女」の弾着やらクレーンやらの気の知れたスタッフという流れは観ていて気持ちがいい。しかも、それを折角仕込んだ仕掛けを使わずボスの話は決着…と、思ったところで本物のデラ富樫との対決で使うおは、村田の成長と含めて気持ちがいい。
しかし、現代社会の中での異世界として作った守加護で携帯電話があまりにも普通に使われていたのが残念。一度でも黒電話みたいなのが出てくると面白かったのに。あと、会計士を殺す為に準備された銃が、フル装備の最新のもの(M4?)というのはちょっと萎えた。