パコと魔法の絵本

テアトル2、評価★★★★☆
奇抜なキャラクター達が織り成す喜劇かと思ったけど、見事なまでの人間賛歌。上映時間中、見事に笑い、そして泣いた。
前半でのそのキャラ達の特異性を表現する事で、後半に至ってのそれぞれの逸話が効いてくるわけで。まぁ、その後半に至るきっかけを作るのがパコなのだが、登場のタイミングまではあざといと思いながらも、上手いとも感じるわけで。
それにしても、皆いい味出してたなぁー。役所広司は当然としても、上川隆也とか國村隼の楽しみ方なんて想像以上。映画というフォーマットに乗った舞台劇としても、その演じ方は魅力的。
そして、その舞台的かつ物語の展開としての演出を見せたVFXのあまりの自然さに驚く。全篇を通しての美しさはなかなかのもの
大人向けの寓話的な意味合いもあるけど、子供でも十分楽しめるものではあると思える。
まぁ、生のカエルがどーもねぇー、って事で星半分減だけど。<以下核心メモ>
導入の遺影から、大貫のほうが発作で先に死ぬ…と、思ったのがパコの死が先に出るとは。でも、その直後にキーとなる絵本を、大貫が「パコに読んであげなければ意味が無い」との事で、破る流れになったので納得。
そして、冒頭の現在(?)に出てくるいかがわしい老人が、病院で浮いた存在であった堀米であり、絵本の作者であったとはいい展開。
オタク部屋は、やや鬱陶しいかと思ったけど、999のポスターから夜空、エヴァのポスターから青空に繋げるシーンの繋ぎ方は面白い。