レッドクリフ PartII -未来への最終決戦

テアトル7、評価★★★★
ジョン・ウー描く三国志赤壁の戦いの後編。この恥ずかしい日本語タイトルはなんとかならなかったものか。中国題だと「赤壁 決戦天下」。
今回も、日本の観客の為に配給会社で制作した状況説明と前作の概要があるのだが、本編の冒頭で前作のシーンを簡単でも見せていたので、ちょっとくどかったか。まぁ、一番最初にジョン・ウーの言葉を入れるセンスもイマイチだったけど。
物語は、赤壁の戦いで描かれた逸話を積み上げていき、そこに小喬と尚香を描くエピソードを入れた感じか。素直には楽しめたけど、やや船への火攻めのくだりが長すぎた気がしないでもないが。
それにしても、小喬を演じたリン・チーリンの美しさはPartI以上に際立っていた。あと、冒頭から少年の様な姿であったヴィッキー・チャオの女性らしさが見られるシーンの展開や演出は見事。
あと、今回の出番は少なかったけど趙雲のカッコよさは見所だね!<以下核心メモ>
曹操軍の大船団への攻撃が火攻めとなるのだが、魚から油を取ったり、爆薬の様なものを用いたりとハデさは十分。そうは言っても、甘興の最期は中村獅童が他で演じたキャラクターと重なる様で面白味に欠けた感もあるけど仕方が無いか。
予告でもあった小喬曹操軍に単身乗り込むという流れで何をするかと思えば、茶を入れて曹操の動きを風向きが変わるまで留めるという働きがあるとは。しかも、そうやって留めるだけでなく、「茶を理解しない人」と一蹴するくだりはなかなか小気味いい。
大味な炎の中での群集戦の後は、やはり英雄達の腕の見せ所。それぞれが持ち味を見せ、小喬を助け出し、孫権曹操の髷を矢で射抜く流れは、英雄譚でありジョン・ウー節だよな、と十分に感じられる演出だった。